ライバルとなる同業者へ聞き取りも含めた市場調査で金融機関からの借り入れに成功
平成21年創業の工務店。出雲市や県東部を中心に「キッチンガレージ」のブランド名で、省エネ、エシカルなスマートハウスを提供している。「住宅業界のApple」を目指し、提供する「iPhoneのような家」はシンプルかつ機能的で評価が高い。SNSのフォロワーは3,000人近くに上る。
有限会社 パイオニアサービス島根
代表者:南光 辰郎（なんこう たつろう）
住 所:〒693-0002 島根県出雲市今市町北本町5丁目1-9
連絡先:0853-31-9360
目次
- 魅力的な土地を手に入れるチャンス、しかし課題は資金調達
- 受注棟数を増加させるため、企業の魅力や価格の妥当性を明確化
- ヒアリングを通じ適切な価格を想定、セールストークも準備
- 仕入れ資金借り入れに無事成功、建築段階から引き合いが
魅力的な土地を手に入れるチャンス、しかし課題は資金調達
相談者はSNSでの情報発信で顧客獲得に成功し、出雲市内などで売上を年々拡大。しかしコロナ禍の発生以降、モデルハウスへの客足が止まり、売上は減少傾向にあった。ちょうどその時期、出雲市内の一等地を仕入れるチャンスが訪れる。その土地に戸建住宅を建て分譲し、売上につなげたい相談者は、仕入れ資金を金融機関から調達することを考えた。しかし直接の商談に自信がなく、以前から経営課題解決などで接触のあった当拠点に相談に訪れた。
受注棟数を増加させるため、企業の魅力や価格の妥当性を明確化
COはまず相談者の財務内容などの分析を実施。コロナ禍以降の受注棟数の減少が売上、利益の減少につながっていることを確認した。ここを改善するにはより多くの受注が必要であり、そのためには相談者が手がける住宅のセールスポイントの明確な打ち出し、さらに販売のための工夫が不可欠であると判断。その上で販売する物件の価格が妥当かどうかの情報も必要であると考えた。そこで「強みと特徴の明確化」「市場調査」を課題として設定し、金融機関からの借り入れをめざし取り組むこととした。
ヒアリングを通じ適切な価格を想定、セールストークも準備
相談者が手がける住宅は、シンプルで自然素材を活かしたデザイン、太陽光発電も採用するなどの特徴を持ち、SDGsや省エネに親和性の高いZ世代にマッチすることがわかった。また当該土地について、他の住宅業者にヒアリングを実施。その結果、平均的な広さや坪単価、さらにこの地域は販売すると即完売になるといった情報を得ることができた。販売面の工夫としては、太陽光発電の発電量を金額換算し、見込み客にローンの返済負担とあわせ提示し、実質的な負担軽減になることを数字で示すよう提案した。
仕入れ資金借り入れに無事成功、建築段階から引き合いが
これらの調査で明らかになった内容をもとに金融機関に融資を申し込んだところ、無事審査を通過。融資を受けられたことで土地の仕入れに成功し、建設に着手することができた。大々的に広告していない上棟式を迎える段階から、問合せが寄せられるようになり、早期販売が実現した。今後は金融機関とのさらなる関係強化に努め、物件の仕入れ資金のスムーズな調達を実現することで、売上向上を売上向上をめざす。
財務内容を分析し、借入を成功させるためには“説得力ある準備”が必要だと考えました。売れるだけではなく、「早く、かつ適切な価格で売れること」が資金繰り上でも重要と考え、見込み客へのセールストークに使えるよう、競合する業者にヒアリングを行ったことが成果につながったと思います。
COから親身になって相談に乗っていただけた上に、市場調査も行っていただき、無事に土地の仕入れができました。業績が悪化しているなか、金融機関への借入れ申し込みにどうアプローチすればいいのか不安でした。COは非常に心強い存在で、精神的な支えにもなりました。本当にありがとうございます。