アートパネル教室から売れるファブリックパネル商品づくりへ
子育てにひと段落した主婦が趣味として始めた、ファブリックパネルの制作とアートパネル教室。 経営ノウハウがなく伸び悩んでいたが、支援を受け、ビジネス構想が大きく広がる。
代表者:糸井 弓鈴(いとい ゆり)
住 所:滋賀県大津市
相談者は双子を持つ主婦として子育てに専念していたが、子供の成長とともに時間に余裕が生まれた。そこで、かねてより大好きであった木製のパネルに布(ファブリック)を貼り付けたインテリア「北欧ファブリックパネル」の制作を開始。平成21年にはアートパネル教室を主宰するようになった。制作したパネルの販売も行っていきたいと思っていたが、経営経験が無く、事業展開の方向性に悩んでいた。
そんな折、近所の図書館で手に取ったチラシをきっかけに参加した女性起業家の集まるセミナーを通じて、当拠点を知り、相談に至った。
教室の運営のみでは限界があるが、インテリア雑貨としてパネルを販売すれば事業成長の余地はあると判断。商品のPRポイントの整理、及び実現に向けたターゲットの明確化と商品力の強化が課題であると分析。そこで、欧風パネルにこだわることなく、和テイストを融合した「滋賀の高島ちぢみ」や「京都の西陣織」等、日本らしさを醸し出す独自の和風パネルづくりで話題性を広げれば、成長が可能と考えた。
また、コーディネーターが逐一状況を確認して、経営の基礎的知識を伝えていった。
完成した自社オリジナルのファブリックパネルを広く知ってもらうために商品展示・即売会を行うことを提案した。開催にあたっては告知が必要であることも相談者に知ってもらい、情報発信の手段としてSNS等のネットワークの形成、プレスリリースの活用が有効だと伝えた。
さっそく、相談者はSNSで告知を実行。また、高島ちぢみや西陣織を使用した和テイストのパネル、ヨーロッパテイストのパネル等を出展し、新たな試みとして八角形パネルなどのほか、木製建具手加工作業技能士とのコラボによる行燈もプロデュースし出品した。
また、経営ノウハウを身につける一環として事業計画書を作成することを勧めた。
商品展示・即売会での売れ行きは好調。今後は、日本の伝統産業や風習を活かした海外向け商品を拡充し、外国人観光客が訪れるショップでの販売も視野に入れている。また、百貨店のバイヤーにも地域密着型のブランド商品として売り込みも考えている。
相談者は当拠点に訪れたことにより、今後とるべき行動が明確になったようである。相談者本人も「手段・手法を親切丁寧に教えてもらい、人のつながりによって商品を紹介してもらえるようになった。これからは、贈答用として、お客様に感激してもらえるような商品づくりを模索していこうと思う」と語った。