実力派靴店、「足の悩み解決力」 ＰＲで売上大幅ＵＰ

相談者は最大の強みである健康靴がアピールしきれていなかったため、ファッション性の高い靴が中心となっていた店内の改装を計画。同時に新規顧客開拓や新形態のサービス構築など、経営スタイルを見直して企業の成長を図ろうとしていた。
相談者は会員加入している池田商工会議所から担当のコーディネーター（以下CO）の在籍する当拠点を紹介され、相談に至った。

改装について店舗の規模や改装の意図、方向性などを、事業所の成り立ちから含めて丁寧に聞き取った。
また経営スタイルについては、現在の商品別の売上構成やスタッフの役割分担、今後の事業展開の方向性など、会社全体に関する内容について掘り下げてヒアリングを行った。そのなかで、今後の当社の発展の基礎となるブランディングも関連した課題ということが判明した。
さらに、品揃えや自社工場でのフレキシブルな対応、足の健康に関する資格を有する相談者を中心に、足の悩みを解決できる本格的な知識が最大の強みであることがわかった。そこで、華美さよりも実用性をアピールして「足の健康」を求める顧客のニーズに訴えかけるという事業の方向性に決め、内装に費用をかけるよりも外部への広告宣伝にコストをかけるべきという戦略を立てた。

当拠点からは、お客様に強みが伝わり、スタッフの作業効率も向上させられるように、入り口の拡張と一部壁面を取り除くレイアウト変更を含めた改装にすることを提案。また、デザインを専門とするCOのルートで店舗専門の施工業者と、費用を抑える場合を想定した工務店系の業者も紹介し、相談者が業者を選択できるように手配した。また、改装に合わせて、プロモーションの強化案についてもアドバイス。改装を機に顧客への訴求を行うため、年間の販売計画と商品の納入時期、閑散時期などを再確認してイベントやキャンペーンなどのPR方法を検討していった。相談者は今後充実させたいセミオーダーの告知など積極的な広告宣伝を行い、新規顧客・特に若い層の取り込みをはかる仕掛けを検討した。

改装後の店内について顧客への評判はよく、見通しが良くなったことで、今まで通行してはいたが入店に至らなかった新規客も取り込んだ。
商工会議所からもまめに相談員が足を運んで継続的な支援を行うことで、オーダーメイドによる商品提案の取組みの推進、新規顧客の獲得につながっている。
さらに、改装に合わせた効果的なプロモーションでいち早く秋冬商戦のアピールができ、例年にない滑り出しを見せた。
店のブランディングを再考する過程でスタッフからの意見も取り入れたことにより、全体の士気が高まり、職場の活性化につながっている。
相談者は「丁寧に自分の思いをヒアリングしてもらい、我々がすべきことを細かく指導してもらった。自分ではわからなかった業者選定やコンセプト作りを相談できてよかった」と振り返った。