コロナ禍で自社商品の開発を強化 品質管理意識を高めて新たな販路を開拓
平成30年12月、沖縄県産豚のしゃぶしゃぶ専門店を創業。相談者がその風味と品質にほれ込んだ沖縄県南風原町産「キビまる豚」をメインに扱う。物販にも意欲的に取り組み、「キビまる豚100%みなみの餃子」などヒット商品を開発、県内外のイベントで販売し人気を博す。令和4年12月、事業再構築補助金を活用しセントラルキッチンを開設。県産和牛を使用した新商品「もとぶ牛のメンチカツサンド」は、「ミルフィーユカツサンド」と共に 那覇空港の航空会社系列の売店で定番化している。
代表者:宮城 翔伍(みやぎ しょうご)
住 所:〒900-0033 沖縄県那覇市久米2-11-4 久米ガーデンビル 1F
連絡先:098-943-2729
平成30年12月、沖縄県産豚のしゃぶしゃぶ専門店を創業。相談者がその風味と品質にほれ込んだ沖縄県南風原町産「キビまる豚」をメインに扱う。物販にも意欲的に取り組み、「キビまる豚100%みなみの餃子」などヒット商品を開発、県内外のイベントで販売し人気を博す。令和4年12月、事業再構築補助金を活用しセントラルキッチンを開設。県産和牛を使用した新商品「もとぶ牛のメンチカツサンド」は、「ミルフィーユカツサンド」と共に 那覇空港の航空会社系列の売店で定番化している。
代表者:宮城 翔伍(みやぎ しょうご)
住 所:〒900-0033 沖縄県那覇市久米2-11-4 久米ガーデンビル 1F
連絡先:098-943-2729
平成30年12月那覇市の中心街にオープンした「しゃぶしゃぶと島豚料理みなみ」。創業以来、沖縄県南部にある南風原町のブランド豚「キビまる豚」を味わえるしゃぶしゃぶ専門店として、地元客や観光客を中心に人気を博している。店名の「みなみ」には、沖縄県南部エリア出身である相談者の「地元南部の食を発信する場にしたい」という想いが込められている。そんな同店は「沖縄のこだわりの食材や食品を発掘・創造し、地域貢献へ繋ぐ」というビジョンを掲げ、飲食店経営以外にも、「キビまる豚」を使用した「キビまる豚100%みなみ餃子」や「ミルフィーユカツサンド」などの自社商品を開発し、物産展や地域のイベントへ積極的に参加して、売上を伸ばしてきた。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛や休業要請により、飲食店の売上は4分の1にまで減少。危機感を覚えた相談者は、創業以来定期的に飲食店経営のサポートを依頼していた当拠点に、物販部門の強化を相談。店内飲食に売上の多くを頼るビジネス形態を見直し、新商品の開発による売上の回復と拡大を図りたいとCOに伝えた。
もともと物販にも積極的に取り組んでいた同店は、新型コロナウイルス感染症拡大を機に、自宅で楽しめるしゃぶしゃぶセットをECサイトで販売するなど、自社商品の開発・販売を強化していた。そこでCOはまず現状の売上構成を分析し、飲食店経営と物販の両輪によるリスク分散や収益性確保が可能と判断。特に那覇空港内、大手航空会社系列の売店で販売中の「ミルフィーユカツサンド」は着実に売上を伸ばしており、また取引先からOEMの打診があることも把握したため、新商品開発や新規販路開拓による売上の回復・拡大は十分に見込みがあると考えた。しかし、新商品の開発においてはいくつかの課題が浮き彫りに。なかでも懸念されたのが総菜を製造する環境と品質管理体制。相談当初、商品の製造は飲食店舗内で行われており、今後さらなる商品を製造するには手狭で非効率的な環境であり、危害要因が発生したときの工程管理も十分ではなかった。そこで店舗とは別に総菜の製造を目的としたセントラルキッチンを開設することに。「業務フローの見える化・効率化」と「安全・品質管理体制の強化」を目標に、新商品開発と並行して業務改善に取り組むこととなった。
令和4年12月、「事業再構築補助金」を活用して、店舗とは別にセントラルキッチンを開設。稼働にあたり、COはHACCP(食品衛生管理の国際基準)の考え方に基づく衛生管理をアドバイス。相談者をはじめ、スタッフの品質管理意識を高めることに注力した。その過程で、従来の取引先からは、直接取引や商品開発の依頼がもらえるようになった。「最初はここまでしないといけないのかと驚きました。ただ金城さんから、組織としての衛生管理のあり方、トラブルが起きたときの対処法を教えてもらうなかで、万が一のリスクに備える重要性や、高度な衛生管理レベルを満たすことで、組織やブランドへの信頼が増すことも学びました。組織として製造業を営むというのは、個人による飲食店経営とは、まったく違った考え方や知識が必要なのだと理解しました」(相談者)。また新商品開発において、COは高単価・高収益である県産和牛「もとぶ牛」の導入を提案。これを受け、セントラルキッチンでは、沖縄ブランドの一つである「もとぶ牧場」の和牛を使った「もとぶ牛メンチカツサンド」の開発に着手。店舗では客単価の高い「もとぶ牛のしゃぶしゃぶ」をメニューに加えた。
新商品「もとぶ牛メンチカツサンド」は、令和5年8月より那覇空港内、他の売店でも販売を開始。導入基準の厳しい空港内での販路拡大に成功したのは、高品質な製造体制が評価されてのこと。既に空港で販売中の「ミルフィーユカツサンド」と合わせて商品は定番化している。また高単価である和牛を物販だけでなく、店舗メニューに加えたことで、客単価がアップし売上が拡大。イベント販売にも相乗効果が生まれ、飲食と物販を合わせた月間売上は、コロナ禍と比較し約9.3倍にまで増加、過去最高を達成している。さらにコロナ禍の中で開発した「ミルフィーユカツサンド」は、令和3年の那覇市長賞に続き、令和5年10月27日に開催された「第47回沖縄の産業まつり」にて沖縄県優良県産品賞を受賞。現在、相談者のもとには、沖縄の食材に関するさまざまな情報が届き、商品化の相談に事業者が訪れるように。「今後は、もっと多くの農家や生産者とつながり、沖縄の魅力を伝える商品を世に送り出して地域の活性化に貢献したい」(相談者)。今後はセントラルキッチンのHACCP認証取得を目指しつつ、まだ知られていない地元のこだわり食材を活用した新商品の開発を進めていく。
・相談者の想いと目指す姿を傾聴する中で、売上・販路拡大への課題は「業務効率化」と「安全・品質管理体制の強化」と判断し、業務改善に着手
・思い切った設備投資や新商品開発を可能にするため、企業の経営状態を把握するツール「ローカルベンチマーク」を活用して事業を客観視し、収支計画策定や予実管理を詳細に実施
・計画策定から資金調達(補助金活用)、事業実施後のアフターフォローまでを支援できるよう、各支援機関との連携体制を構築
現在はCOの金城さんの支援の下、詳細な収支計画と月ごとの予実管理を実践し、事業の進捗を数値化。これにより、どこに無駄があるのかわかるようになりました。例えば、原価を抑えようとブロックで仕入れていた豚肉は、人が手作業でスライスしていたことで、逆に人件費が余計にかかっていたことが判明。原価や経費を正しく把握することが、利益確保につながると知り、意識も変わりました。金城さんは、店舗に顧客として足を運び、気付いたことを顧客・経営者双方の目線でアドバイス。また、ビジネスツールを使って現状を「見える化」し、取り組むべき課題を明確にしてくれました。常に伴走しながら進むべき方向へ導いてくれたことにとても感謝しています。