青果店でのIT化や設備導入など、多角的・総合的な支援により三店舗数を増やし売上拡大中
平成29年創業。青果の卸売・店舗販売を行っている。また、令和2年から自社店舗においてフルーツサンドの販売を開始したところ、地元新聞にも取り上げられたことで、大分市内だけでなく近隣市町村の消費者も買いに訪れるなど、人気を博している。
代表者:鈴木 亮(すずき りょう)
住 所:〒870-0018 大分県大分市豊海4-1-1
連絡先:097-560-1240
同社と当拠点との出会いは、創業時の相談にまでさかのぼる。青果の卸売や小売を行う会社を設立するにあたり、事業計画書の作成方法や労務管理に関する相談に訪れたのがきっかけであった。その後も長期にわたり相談が行われ、代々のCOがアドバイスを行っている。今回は、新商品の生産量の拡大策や、生産性の向上策について相談するため、当拠点へ訪れた。
まずCOは現状分析を行った。相談者は新商品開発に関してすでに多くのアイデアを持っており、開発・製造ができ、売れ行きも好調である点が強みである反面、ブランド化を意識した商品展開が行えていない点や生産量が需要に追いついていない点が課題であると把握。また多店舗展開を考えていたが、全体的な売上や大まかな商品の売れ行き以外のデータが不足していた。これらを踏まえ、①ブランド化を意識した新商品開発の実施、②生産体制の高度化、③小売部門のIT化を課題とした。
課題①ブランド化を意識した新商品開発について、COは原産地などの商品特性に基づいてターゲット・利用シーンを明確にし、容器、デザインの作成と新たな販路開拓を支援、②生産体制の高度化について、より対応可能量の多い外注先の紹介や補助金などを活用した設備導入を提案、③小売部門のIT化について、顧客属性や商品の具体的な販売状況を明確にするため、Airレジ導入を提案し、運用ノウハウを提供。その他、新店舗出店のため、統計情報の提供や出店予定エリアの特徴についてアドバイスを実施。
商品開発や補助金活用支援により、大分県産のかんしょ「甘太くん」を使った干し芋の生産量が日本一となる。またコロナ禍においても、自社2店舗の新規出店や取引先数の拡大により、前年比120%の売上を達成。今後は新商品開発とあわせて、インターネット販売や新業態の店舗出店を予定。今後3年以内に現在の売上と比較して150%程度の拡大を計画している。
相談者自身が非常にアグレッシブで、積極的に新たな事業に取り組むタイプであったため、CO側が過剰に介入し相談者の自主性を阻害しないよう気をつけて支援を行いました。また感覚だけで方向性を決めるのではなく、統計資料や実地調査に基づく、根拠ある意思決定を行うように促しました。
専門外のことについて相談することで、事業に必要な様々な専門的知識や統計情報を得ることができました。探していた答えや結果に自社だけで模索するよりも早くたどり着け、自社がするべきことに集中することができました。