既存事業であるEC事業の資産を生かし新事業へ進出 高利益率体質への転換を実現
2014年に法人設立し、越境ECサイトで日本製品を海外に販売する事業を行っている。EC運営を効率化する独自システムの開発、完全リモートワークの実現など、ユニークな取組を行っている。「日本の良いものを海外に」を理念に掲げ、現在、越境ECサイトによる海外展開サービスを行っている。
代表者:代表取締役 北村 渉(きたむら わたる)
住 所:〒634-0821 奈良県橿原市西池尻町270番4号 米田学院前蔵205
既存事業であるEC小売の売上が順調に拡大していることを受けて、ECサイトで販売するオリジナル製品(油分を自然カットできる特殊形状のお皿)の開発・製造を進めるなど、新規事業展開に取り組んでいた。そんな中、自社開発したECサイト運営システムの販売を着想し、同システムの販路開拓について相談したいと当拠点に訪れた。
COは、既存事業のEC小売は売上が伸びているとはいえ、利益率が低い事業構造であり、新規事業展開は妥当であると判断。しかし、単なるシステム販売は、大手との競争になりやすく、保守体制の整備など相談者の負担も大きいため望ましくないと分析した。一方、近年多くの企業が越境ECに注目しているが、自社で運営するノウハウがなく、専門人材もいないという課題があることに着目し、このニーズを捉えるべきであると分析した。
COは、独自のECシステムとノウハウ豊富なスタッフが同社の強みであることから、その強みを生かした海外EC展開アウトソーシング事業の実施を提案した。ビジコン奈良に応募することで、県内企業にPRするとともに、事業計画書の作成を通じて、事業コンセプト・サービス内容・料金体系などを精緻化した。その上で、サービスの要となるシステムは、「顧客自身による運営よりも、低コストで高品質」を実現する開発ロードマップを策定し、その強化を図った。
相談者は、株式会社呉竹と協業して海外EC展開を進めた。株式会社呉竹は、墨・書道用具・文具を製造販売している、奈良県を代表する伝統企業であるが、海外EC売上が対前年で2倍になった。この成果をきっかけとして、相談者のもとには他企業からの引き合いが増え、立ち上げたばかりのアウトソーシング事業は、売上全体の10%以上を占めるに至った。利益率も前年を上回り、高利益体質への転換につながっている。
相談者の理念に沿いながら、強みであるシステムとEC運営のノウハウを生かした事業展開を考えました。また、相談者はもちろんのこと、取引先である県内企業・地域が共に発展する事業になるよう気を配りました。「ECによる海外展開」が浸透し、奈良県がさらに発展することを願っています。
システムの価値を初めて認めてくれたのがよろず支援拠点のCOでした。的確な支援をいただいたことで、新事業を立ち上げることができました。今後も、ECを通じて、日本・奈良県のすばらしさを海外にひろめたいと思います。