売上前年比43%増達成!事業を見直し経営破綻の危機から黒字決算へ
視力障碍者向け施設として平成30年開業。障碍者と健常者が共生できる社会をめざし、「就労継続支援B型」、「居宅介護」、「移動支援」、「同行援助」、「生活介護」などの各種事業を展開。最近ではグループホームの運営に着手。地域密着型サービスとしていずれも利用者より高評価を得ている。
代表者:石丸 浩子(いしまる ひろこ)
住 所:〒630-8001 奈良県奈良市法華寺町153-4小春ビル
連絡先:0742-93-41861
平成30年9月に当拠点に最初の相談。認可手続の遅れから、法人設立後9か月を経過しても事業を開始できず、資金繰りに困窮。理事長が私財を投入するも追いつかず、家賃延滞や給与遅配、社会保険料未払、管理部門社員の退職などにより、経営が急速に悪化、廃業も視野に入れる状況に陥った。
相談者の経営資源の実態把握に勤めた結果、4つの課題が明らかとなった。まず、売上面では、多様な事業を手がけるも多くが赤字であることを踏まえ、事業の絞込みによる選択と集中で早期の売上拡大が必須。次に、売上に対して経費が過大であり、特に固定費負担の軽減が必要。さらに、月末に預貯金が逼迫し、各種支払が滞っている状況のため、当面の運転資金の確保が急務。基本的な経営管理ができていなかったため、経営改善のための実態把握も必要不可欠であった。
現在のスタッフのみで運営ができるよう、事業の絞込みと事務所の移転を提案。1か月あたりの販管費を約30万円削減することに成功。また、コロナ特別融資や持続化給付金の申請をサポートし、公的補助により各種支払や運転資金の問題を解決するとともに、実際の経理処理の流れを構築した上で会計ソフトの導入を提案し、事務所内での月次試算表の作成が可能になった。さらに、キャッシュフローの抜本的解決のため、収益性が高く既存事業との相性の良い新規事業を提案。これを踏まえ、グループホームの新規開設に着手。
令和2年11月よりグループホーム事業を開始、令和3年3月決算で売上高は前年比43%増の2,422万円。令和2年4月より経費の大幅削減(約30万円/月の減)により、最終利益は134万円と創業後初めての黒字決算を達成。今後はグループホームの経営ノウハウの蓄積、安定的なキャッシュフローの確保を心がけ、令和4年3月決算では売上高3,400万円、最終利益570万円を目指す。
当初、試算表などの基本的なデータがなかったため、根気よくヒアリングを行って現状把握に努めました。さらに、会計処理を事業所内で行うことにより、経営の現状と将来予測を数値で表し、現状を把握するとともにステークホルダーにも情報を提供できる体制を構築するよう心がけました。
5年にわたるボランティアを経て開業しましたが、開業当初より資金繰りに困窮するも、相談先もわからず悩んでいました。そんな折、当拠点の存在を知り、親身な支援のもとで経営の「見える化」をはじめ、一丸となって経営改善に取り組んできました。COの存在がなくては、今日をむかえることはできませんでした。本当に感謝いたします。