補助金の申請を支援しスタジオを新設、オンライン授業も事業の柱に
平成2年に開業した日本初の英国庭園「蓼科高原バラクライングリッシュガーデン」を運営。ガーデニングや造園、各種イベントを通し英国の庭園文化を発信する。自社ブランドのブティック「バラ色の暮し」や英国菓子の製造販売を通じライフスタイルの提案も行う。
代表者:山田 裕(やまだ ゆたか)
住 所:〒391-0301 長野県茅野市北山栗平5047
連絡先:0266-77-2019
相談者は観光地として著名な蓼科に英国庭園を設け、入場料、場内での物販や飲食、さらに庭園文化を伝承するスクールを収益の柱としていた。開園以来、県外からのバスツアーを受け入れるなど盛況であったが、コロナ禍による外出自粛要請や緊急事態宣言などで来場者が激減。予定していた東京都と共催の庭園イベントも中止となり、大打撃を受けてしまう。先行きが不透明ななか、一部事業の再編や見直しを行いつつ今後の方向性を検討するなか、金融機関より当拠点を紹介され、相談に訪れた。
来園客数はコロナ禍の状況により左右されてしまうため、スクール事業を中心に売上改善を図ることとした。同社は英国および欧州以外で唯一「英国王立園芸協会パートナーガーデン」に認定され、英国の一流園芸講師とも交流があることから、英国と蓼科をインターネットで結びリモートスクールを開講した。しかし蓼科では手狭なテントを会場としていたため、“密”になりやすく、また遠隔地からの来訪は利用者にとって不便であることから、全国の提携校10校を結び中継できるスタジオの設置をめざした。
COはスタジオの建築費に事業再構築補助金の活用を提案。仕様は受講生を十分に受け入れられるよう、2F建てで100坪のサイズとし、英国の講義をインターネット経由で受講できる事に加え、スタジオで開催される講義の受講、インターネットでつながった提携校でのリアルタイム受講、ビデオ録画した講師の講義をオンデマンドで配信できる仕組み等を計画した。総工費は設備も含め9,900万円を想定、COは事業計画の立案、申請の手続きを支援。申請は無事採択され、スタジオ建築が叶った。
スタジオ建設により受講環境は大きく改善。オンデマンド講義については、英国および国内講師の15~20分の講義をYoutubeで実施。ひとり1講義あたり2,000円の受講料で提携教室に配信した。当初月1回でスタートした教室も、受講生のニーズに合わせ週1回と利用回数を増やす教室もあり、収益に大きく貢献している。またスクールへの集客が好転したことで、寄せ植え材料など関連資材の売上も増加。今後はより利用しやすくなった教室での受講生募集を強化し、SDGsにもつながる英国庭園文化をより広めていく。
金融機関の全面的な協力もあり、資金調達については少しでも負担の少ない事業計画の立案が重要であると考え、事業再構築補助金の活用を提案しました。またこの申請にあたって作成した事業計画書により「だれに、なにを、どのように提供するのか」を深い部分まで検討し、方針を具現化するよう心がけました。
当社の想いをきちんと汲み取っていただき、形にする助言をいただけたことで、無事にスタジオを整備することができました。このスタジオを最大限に活用し、寄せ植えや英国園芸の奥義を日本全国、そして世界に発信することで、英国園芸文化のさらなる普及に努めていきたいと思います。ご支援にはとても感謝しています。