旧町役場を活用したカフェを開業 自慢の食材を使ったメニューで仲間の豊かな生活を目指す
平成2年開業。生活介護事業・短期入所事業や就労継続支援B型事業などを複合的に行う障碍者支援センター。地域の障碍のある方(以下、「仲間」と表記)への「働くことを通して発達の保障と生活を豊かにする」を理念にした取組への評価は高い。また、手作りの製品・食品の品質は高く、固定客も多い。
代表者:理事長 橋本 昌明(はしもと まさあき)
住 所:〒629-3557 京都府京丹後市久美浜町竹藤22-1(法人本部)/〒629-3410 京都府京丹後市久美浜町864-1(カフェ)
連絡先:0772-84-0759
仲間が各々の能力を発揮できるような仕事の多様性を創出し、給料を向上させることが課題。この解決策として、長年地域拠点として親しまれた旧久美浜町役場を活用し、地域住民の交流の場、仲間自らの生産品や久美浜特産品を販売する就労継続支援事業所として、新たにカフェの開業を計画。しかし、カフェや小売店開
業、経営についてのノウハウや経験がなく、地元信用金庫から当拠点を紹介され、相談に訪れた。
開業プロジェクトのカフェ班メンバー及び地元金融機関担当者とともに現状を分析。仲間が事業所内で生産する食品の評判が高いこと、普段から職員や仲間に給食を提供しており調理経験が十分であることを確認。また、地元住民からのランチ需要や交流場所を求める声、さらには観光客が多いことも判明。そこで、地元住民や観光客をターゲットにした店舗コンセプトの設定やメニュー開発を課題とし、開業までに行う細かい作業のスケジュールを立案。
まずは評判の高かった、仲間の作る豆腐などの食材を使ったメニュー開発に着手し、運営に無理が生じないようメニュー数を厳選。客単価を上げるため、地元高級食材を使った観光客向けメニューの開発にも段階的に取り組んだ。また、カフェ開店までのスケジュール表や購入品リストなどの提供を行い、開店準備を支援。さらに、コロナ禍にも対応可能な店舗レイアウト、来店から退店までのオペレーションの具体的なアドバイスや、事業所で作る食品や製品の販売についてもアドバイス。
計画通り令和3年4月にカフェを開業。地元での認知度向上やリピート客増加により、売上高は毎月高い水準を維持する。特に、販売拠点が増えたことで物販売上高はカフェ開業前の時期と比べて150%に増加。さらにカフェの売上も加わり、全体売上の向上につながった。今後は、カニなどの海産物や、果物などの農産物といった地域の特産物を使ったメニューを提供していく予定。カフェを利用して地域の土産物販売や文化的活動を推進し、地域活性化に寄与することを目指す。
カフェ班に飲食店開業の経験者がいなかったので、表やリストなどを活用してわかりやすくする工夫をしました。決めることはたくさんありましたが、店舗コンセプトの決定には時間をかけました。接客のロールプレイングなどは店舗を訪問して指導を行い、より実践的な支援を心がけました。
右も左もわからない私たちに一から丁寧に教えてくださり、そのおかげで無事カフェをオープンできました。「どんな風なお店にしたいのかコンセプトはぶれないようにやっていきましょう」と何度も教えていただきました。支援をいただき、心強い味方がいるようでした。