地道な既存客フォローと新商品開発で、売上高前年同月比37%アップ
平成29年創業。前年に熊本を襲った地震を契機に、熊本市の中心でオリジナルウエアやグッズを作成する「プラスワン熊本店」を営業。オリジナルデザインの制作から、加工までを行う。イベントウエアやスポーツチームウエア、記念品などとしてのニーズが高い。
代表者:石原 健(いしはら けん)
住 所:〒860-0844 熊本県熊本市中央区水道町8-1よねはくビル3階301号
連絡先:096-277-1557
相談者は、熊本地震をきっかけに、より家族や地域を大切にしたいという思いが強まり、スーパーマーケットの本部スタッフを退職。オリジナルプリントウエアやグッズ作成で、熊本を楽しく応援したいという想いで創業に至る。創業後、TSUTAYAの創業セミナー参加を機に、パネラーとして登壇していたCOと面会。さらに熊本県信用保証協会のコラボセミナー&個別相談会に参加し、令和2年2月から当拠点の支援を開始した。
COはまず、同社の現状分析を実施。個人や学校といった一般消費取引に加え、飲食店や介護施設などのユニフォーム作成など、企業との取引も行っていたが、新型コロナウイルスの影響でユニフォームのリピート注文が減少。また、イベントの開催縮小が続き、イベントグッズ販売も減少傾向にあった。相談当初は新規顧客開拓の強化策を検討し、実施を目指したが、新型コロナウイルス感染拡大により方向転換を強いられ、コロナ禍による影響の度合いも鑑みた新しい方策を考案することとした。
1点ものであるオリジナルプリント用のシルク版は、一定の保存期限内にリピート注文がない場合、破棄していた。それを逆手に、顧客に対し、期限切れ直前に「切らすともったいない」という再購買の促進活動を実施。具体的には、既存顧客を中心に、シルク版の期限切れ1ヶ月前にメールで案内。1枚でも構わないので作ってもらえるよう、数回接触するように促した。また、オリジナル商品の「論語Tシャツ」に加え、新商品の「アマビエ(疫病退散)Tシャツ」とオリジナルロゴ入りマスクの開発を実施。再購買促進活動に、それらの新商品やその他アイテムの案内を加え、客単価アップ・購買頻度向上を図った。同時に既存顧客へのDMによる販売促進も実施。アマビエTシャツは、同県のTSUTAYA三年坂店にて販売会を実施した。
コロナ禍にもかかわらず、既存顧客対策と新商品開発、販売活動により、令和3年6月の売上は、前年同月比37%アップを達成。今後の展望として、販売用オリジナルウエア、グッズ提案を進めている。同社の熊本を楽しく応援したいという気持ちに寄り添い、COの豊富な経営アイデアをもとに、費用対効果の見込める取組を継続していく。
①シルク版の保存切れ直前に、顧客への再購買促進活動の実施、②熊本発祥の疫病退散妖怪アマビエをデザインに起用するなど、話題性を活かした商品開発、③抗菌仕様やオリジナルマスクなど、コロナ禍における消費者のニーズを捉え、客単価アップを意識した展開の3つを柱とした支援を行いました。
COには丁寧にお話を聞いていただき、自社の具体的な課題を把握することができました。実現可能な対応策やアイデアを得ることができるだけでなく、コロナ禍の状況で活用可能な公的な支援制度の助言もいただきました。無理せず目標を持って動くことができるようになり、相談して本当によかったです。