『明治150年大磯ワインプロジェクト』
街の酒店がオリジナルワイン造りで地域活性化に奮闘
大磯はかつて多くの政界の要人が別荘や邸宅を設けていたこともあり、「明治150年」関連施策の一環として、平成29年に大磯町への「明治記念大磯邸園」の設置が閣議決定された。そうした状況を契機に、相談者は地元で何か新しい商品開発ができないかと思案。「明治150年記念オリジナルワイン」をOEMで作り、近隣に配布することを思いつき、実現に向けての具体的な方策について、大磯商工会(神奈川県)を通じて、当拠点に支援を求めた。
Coは、地域の酒店がワインをOEMで作り、記念配布するだけではもったいないと考え、相談者の「ワイン造りを通して、大磯町を活性化したい」という想いに着目。街を巻き込んだプロジェクト化の推進を検討。「地域住民に根付いた街全体のプロジェクトにするために地域内外に情報発信していくこと」を課題とした。
Coは、ワイン造りを①『明治150年大磯ワインプロジェクト』とネーミング、②ワインコンセプトを「大磯町民の贅沢な遊び道具」とし、新たな「コト」を生み出す、③街をあげてのワイン造りの物語をTV・新聞に追っかけ取材してもらえるよう、パブリシティ戦略を立てる等を提案した。
相談者は、Coからの①②の提案を実行したほか、③の提案を実行するために、シャトー勝沼での打合せ風景、ラベル打合せ、地元住民のワイン試飲会の日程を調整してTVに取材してもらえるように、情報発信を実施した。また、ワイン1本1,500円のうち150円を別荘群の庭園整備に寄付することにして、赤・白合わせて600本を製造。さらに、OEM先のシャトー勝沼(山梨県)の協力で、貴重なヴィンテージワインをブレンドした商品となり、「創業140年のシャトー勝沼が明治時代のワインをイメージしてブレンド」というブランドストーリーも完成。
パブリシティ戦略が功を奏し、プロジェクトの取組みはTV・新聞で大きく報道され、発売を前に300本(赤白セット)の予約が殺到。大磯町長参加のもと旧吉田茂邸で行った記者発表後には、目標の600本の販売を早々に達成し、増産を重ね1,500本の販売となった。