ランチとディナーの値上げ | よろず支援拠点全国本部

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ランチとディナーの値上げ

横須賀の住宅街にあるカジュアルなフレンチレストラン。駅から徒歩10分程度、駐車場は2台あるものの道路に面しておらず、地元の人からは隠れ家的な位置づけ。元帝国ホテルのシェフで調理技術は高いが、創業より集客を一切していなかった過去があり、5年前から当拠点が支援。コロナを乗り越え、少しずつ顧客も増えてきたが、原材料高、水道光熱費高、借入金の返済で収益状況は苦しい状態が続く。

公開日: / 都道府県:神奈川県 業種:宿泊・飲食 課題: 価格転嫁

シェ・イロ

代表者:井口 宏之
住 所:〒239-0841 神奈川県横須賀市野比1-8-5
連絡先:046-803-1220
URL:https://www.french-chez-hiro.com/

横須賀の住宅街にあるカジュアルなフレンチレストラン。駅から徒歩10分程度、駐車場は2台あるものの道路に面しておらず、地元の人からは隠れ家的な位置づけ。元帝国ホテルのシェフで調理技術は高いが、創業より集客を一切していなかった過去があり、5年前から当拠点が支援。コロナを乗り越え、少しずつ顧客も増えてきたが、原材料高、水道光熱費高、借入金の返済で収益状況は苦しい状態が続く。

公開日:
都道府県:神奈川県/業種:宿泊・飲食/課題:価格転嫁

シェ・イロ

代表者:井口 宏之
住 所:〒239-0841 神奈川県横須賀市野比1-8-5
連絡先:046-803-1220
URL:https://www.french-chez-hiro.com/

目次

  1. 現状
    コロナ後顧客戻るも苦しい収益状況続く
  2. 課題
    過去の価格設定失敗の総括と、店主の恐れ払拭
  3. 支援内容
    具体的な価格設定と時期、どのように伝えるか
  4. 支援の成果
    来店客数変わらず、月商売上水準が過去最高を維持

現状
コロナ後顧客戻るも苦しい収益状況続く

高い調理技術、堅苦しくなり過ぎない接客で、コロナ後、来店客数は増えてきていたが、原材料の高騰、水道光熱費増及び最低賃金引上げによる人件費増により、収益構造はコロナ前と変わらない構造となっていた。また、コロナで借入を増やしたため、キャッシュベースだと毎月苦しい資金繰り状況となっていた。そのような中当拠点に相談があり、以前より提案していた値上げに対して本格的に取り組むこととなった。

課題
過去の価格設定失敗の総括と、店主の恐れ払拭

以前より値上げの提案はしていたが、過去店主は何度か価格を安くしたり、上げたりをした経験があり、その度に失敗してきていたため、その失敗原因を総括し、値上げに対する恐れを払拭していった。過去の失敗の経緯としては、南青山の立地でランチ1,000円フレンチをやっていた時期があったようで、顧客は沢山来るが、全く儲からなかった。立地と価格のバランスが失敗したという認識はあったようで、野比にきてランチ1,500円にしたが、やはり儲からなかったので、2,500円にしたら一気に顧客が減ったという経緯である。この経験により、ランチ2,500円、ディナーは3,300円~といういびつな価格のまま営業してきたが、いつまでも怖がってはいられないので、値上げを顧客視点で考え、本気で着手する旨を合意した。一番の課題としては、店主の決断だったので、決意した時点である程度解決に向けて進んだ認識はあった。

支援内容
具体的な価格設定と時期、どのように伝えるか

具体的な価格設定として、現状の価格がランチ2,750円、ディナー3,300円、5,500円、7,700円の3コースであったところ、値上げ後の価格はランチ 2,900円、ディナー4,000円、6,000円、8,000円で提案し、今までは税抜き表示のみだったところ、税込表示もきちんと明示してもらった。値上げ金額の理由としては、当店に来る顧客はシェフの腕を知っている方で、普段使いではなく、明らかに特別な会食で利用されているため、ランチなら100~200円のレベル、ディナーでは1,000円程度の値上げであれば離脱は無いと競合状況含め調査し、判断した。一方で、ランチは3,000円台だとエリアの特性より離脱の恐れあるため2000円台ぎりぎりの設定とした。(ディナーは5,000円~を提案したが、店主恐れがあり、今回は4,000円~とした)また、値上げ時期は、値上げの2カ月前にはSNS、店頭でお詫びとともに告知するように提案したが、実際は告知が1カ月前となり、令和5年5月1日(G.W前)の値上げとなった。

支援の成果
来店客数変わらず、月商売上水準が過去最高を維持

平均で約10%値上げとし、来店客数も前年微増となったため、月商水準が100万程度が平均だったが、110万程度となり、収益構造も改善した。心配した顧客の離脱は無かったが、あらためて過信はせずに、顧客から見た価値を見極めながら値上げしていくようアドバイスした。

事例を振り返って

周辺の競合含めて、価格と店舗力(味・接客・雰囲気)のバランスが悪い(特にディナー)と常々思っていた。一番の課題は店主の値上げに対する気持ちだったため、この説得に一番気を遣った。具体的には、来店客数が同じだった場合、微減だった場合の収益シュミレーションを見せ、やはり値上げは収益上不可欠と理解してもらえたことで、値上げのやる気につながった。(ある程度来店客数が減ったとしても勝算がある事を示す。)

相談者の声

値上げについては、過去何度も痛い目にあってきたが、今回は上手くいった認識があります。一方で、ただ上げれば良いという事ではないので、お客さんの痛みを感じつつ、競合の状況も把握しながら今後も取り組んでいきたいです。

支援した拠点

神奈川県よろず支援拠点

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