回遊しやすい店舗づくりで売上20%アップ
お客様を店内へと誘導し、長くとどまるよう回遊性の高い店舗レイアウトへと変更を実施。 季節イベントコーナーやフルーツ俳句などで店内を彩り、売上大幅増を達成。
代表者:大園 浩(おおぞの ひろし)
住 所:鹿児島県日置市吹上町与倉671-1
連絡先:099-296-3367
相談者は夫婦で長らくロードサイド型の果物店を営んでいた。酒類などの扱いも始めていたものの、売上げの中心となるフルーツの粗利率は高くなく、販売量が増えなければ利益を確保しにくかった。近年では、地域人口や交通量の減少もあって、来店客が徐々に減少。以前のような販売量の確保が難しくなってきていた。
相談できる相手もなく不安を抱えていたところ、地方紙に掲載された、「指宿市のホテルがよろず支援拠点に相談して売上げをアップさせた」という記事を読み、相談に至った。
相談を受けたチーフコーディネーターは、早速店舗を訪問して、改善点の洗い出しを行った。
まず、什器が道路に対して平行に配置されており、さらには入店してすぐ正面にレジがあるため、お客様が店の中にまで入りにくいことに気づいた。実際に、多くのお客様は店舗の中まで入らず、店の前を通り過ぎるように足を進めていた。
地元の有名銘柄や希少価値の高い焼酎も棚割や陳列で特別に強調されているわけではなく、他の焼酎と一緒に陳列されていた。
一方で相談者が以前から作っているPOPは、お店の雰囲気を賑やかにしており、お客様を楽しませる強みとして今後も活かせると判断した。
まずは、お客様が店内を回って商品を見る時間を確保できるよう、什器類の配置を変更し、通路の幅を広げることを提案した。お酒の売り場は、焼酎を並べて「見せる」部分と、希少価値の高い銘柄や商品を紹介するスペースを作り、店内にお客様の目を楽しませる仕掛けを作ることも提案した。さらにそれらのPOPもできるだけお金をかけず、お店にあるものをうまく活用して作る方法もアドバイスした。
このような方針に沿って什器の配置が変更され、回遊性の高い店舗レイアウトが完成した。焼酎売り場に設けられたイベントスペースでは、季節ごとに紹介する焼酎を変え、お客様に提案する仕組みを作った。店内のいくつかのポイントにフルーツ俳句を設置し、お客様が店舗内を歩きながら商品PRを楽しんでいただけるようにした。
レイアウトを変えた結果、お客様の店内にいる時間が増え、今まで以上に商品をじっくり見てくれるようになり、購入時にも余分に1品購入してくれるようになった。フルーツ俳句やPOPも好評で、お客様に喜ばれている。
売上げも対前年比で20%増を達成し、当初の目標を達成することができた。今後も売り場は固定化せず、いろいろなタイミングで変化をつけていくという方針も当拠点と話し合った。
相談者は「今までの想いを安心して話すことができた。これだけの支援をいただき、また頑張ろうという気力が湧いた」と話し、今後の取組みへの意欲を滲ませた。