「価格ではなく価値で売る」経営の大きな決断で、地方から全国へ | よろず支援拠点全国本部

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「価格ではなく価値で売る」経営の大きな決断で、地方から全国へ

Uターンで入社した相談者。入社すると、山積する課題を目の当たりにする。価格競争の中、「価格ではなく、価値で売る」という発想に経営の舵を切り、県外の顧客を獲得。経営基盤を整備することで、事業承継を確かなものにする。

公開日: / 都道府県:香川県 業種:卸売 課題: 事業承継

株式会社ホリ

Uターンで入社した相談者。入社すると、山積する課題を目の当たりにする。価格競争の中、「価格ではなく、価値で売る」という発想に経営の舵を切り、県外の顧客を獲得。経営基盤を整備することで、事業承継を確かなものにする。

公開日:
都道府県:香川県/業種:卸売/課題:事業承継

株式会社ホリ

代表者:
住 所:

目次

  1. 家業の今後を想い入社 山積する課題を目の当たりに
  2. 「価格ではなく価値で売る」経営の方向を変える決断
  3. 詳細な事業計画を着実に進め県外顧客へとアプローチ
  4. 事業体制が整い事業承継も確実に

家業の今後を想い入社 山積する課題を目の当たりに

 

県内に大手飲食チェーン店及び、大手卸業者が多数進出してきたことで、個人飲食店が減少し、価格競争の波が押し寄せてきた。株式会社ホリ(以下、同社)も20年ほど前と比べ売上げが半分以下になり、顧客も減少していく。相談者(同社創業者の孫)はUターンして同社に入社し、課題が山積している状況を認識したが、何から手を付ければいいのか、どこに相談に行けばいいのかわからず途方に暮れていた。そんな時、自営業を営む親せきから当拠点に経営相談をしていることを聞き、相談に訪れた。

「価格ではなく価値で売る」経営の方向を変える決断

当拠点のコーディーネーター(以下CO)は、相談者の抱える課題の大本は販売拡大であると判断。そのために、誰に何をどのように売るかに視点を置き、取扱商品の種類・構成比や顧客層を分析しながら、商品に込められた想いを聞き出すことで会社の強みを明らかにしていくことから始めた。
ヒアリングをしていく中で、相談者が感じている「天然無添加加工の商品は、海外加工の安い商品に価格競争で劣ってしまう」という課題は販売販路を県外から全国に広げることで、強みに変わると考えた。特に、首都圏のこだわりスーパーや自然食品店などであれば、相談者の扱う商品価値を理解してくれる顧客となる。「価格ではなく価値で売る」経営に舵を切ったほうが良いと分かった。
しかし、約40年間、県内で営業活動を行ってきたため、全国へ向けた新規営業を限られた人員でどのように行うか、また、会社の特性を生かし時代にあった新商品を開発していかなければならないが、その方法と開発費用の捻出が大きな課題として浮き彫りになった。

詳細な事業計画を着実に進め県外顧客へとアプローチ

課題が明らかになったため、COは、まず新規営業を進めていく手段として、地域支援機関主催の展示会や商談会への参加を提案。新商品の開発に関しては、今後の顧客ニーズにあった商品へのアドバイスをはじめ、国や地方自治体の補助事業等の提案。また、開発費用に対しては金融機関との良好な連携方法を紹介した。さらに事業をスムーズに進めていくために事業計画とアクションプログラムを作成し、それに基づき行動した結果を分析するよう勧めた。
これを受け相談者は、提案されたことに精力的に取り組んでいった。「モノづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」、また、当拠点と中小機構四国本部が連携して支援した結果「地域資源活用認定事業」などに採択され、試作開発費や設備投資だけでなく、ウェブサイトやパンフレット・看板といった営業ツールを作成。アレルギーやグルテンに気を使った商品や、瀬戸内海産物資源を活用した地域性が高く、付加価値のついた商品を開発し、それを武器に全国へと営業を行っている。
これらは全て、作成した事業計画とアクションプログラムに基づいたもので、毎月2回の社内ミーティングでの進捗確認、また、金融機関への事業報告や決算報告にも細かく取り組んでいる。

事業体制が整い事業承継も確実に

 

時代に合わせた商品や地域色の強い商品を開発し、展示会などを中心に営業活動を行ったことで、県外の取引先が増加。東京・京都の高価格帯スーパーの総菜商品や、百貨店のギフト商材、全国の自然食品店の店頭販売など様々な販売方法で広がり、地元でも生協の共同購入商品として採用された。
また、展示会・商談会への参加や補助事業への参加を通じて、地域の様々な事業者との交流も生まれ、他の地域支援機関の紹介や、新規顧客の紹介といった機会を得ると共に、メディアに取り上げられる機会も増えた。
当初、一社員として入社した相談者も、高い経営力を身につけ常務として活躍。新商品開発や首都圏への販路など、事業基盤を固めたことで事業承継が確実にできる状況となった。

支援の流れ
01
Uターンで入社。山積する課題を目の当たりにするも解決策が見出せない
02
課題の大本は販売拡大であると判断。「価格ではなく価値で売る」経営へ
03
域支援機関主催の展示・商談会へ参加。首都圏への新規営業を開始
04
販路が広がり事業体制を確立。事業承継が確実にできる状況に
支援した拠点

香川県よろず支援拠点

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