アフターコロナと市場の変化に対応し 付加価値の高い新分野に参入
大正7年創業。100年以上の歴史をもつ紙卸専門商社。国内メーカー品を中心に1万点以上の紙材を扱い、自社倉庫から配送する。香川県内での紙販売シェアは約6割を占めており、新居浜支店を中心に、四国一円と中国地方の一部まで自社流通網を有する。顧客は印刷業者や紙加工業者が主で、売上の8割程度。官公庁や学校関連、一般企業、文具店などとも取引がある。令和2年、6代目の榊英雄氏が社長に就任し、会社組織変革に挑んでいる。平成31年4月にはM&Aにより紙加工業の会社を買収。紙パッケージ分野へ進出した。
代表者:榊 英雄
住 所:〒760-0065 香川県高松市朝日町5‐3‐81
連絡先:0877-822-3332
URL:https://www.sakaki-kamiten.jp/
大正7年創業。100年以上の歴史をもつ紙卸専門商社。国内メーカー品を中心に1万点以上の紙材を扱い、自社倉庫から配送する。香川県内での紙販売シェアは約6割を占めており、新居浜支店を中心に、四国一円と中国地方の一部まで自社流通網を有する。顧客は印刷業者や紙加工業者が主で、売上の8割程度。官公庁や学校関連、一般企業、文具店などとも取引がある。令和2年、6代目の榊英雄氏が社長に就任し、会社組織変革に挑んでいる。平成31年4月にはM&Aにより紙加工業の会社を買収。紙パッケージ分野へ進出した。
代表者:榊 英雄
住 所:〒760-0065 香川県高松市朝日町5‐3‐81
連絡先:0877-822-3332
URL:https://www.sakaki-kamiten.jp/
デジタル化によるペーパーレス志向の高まりに、さらに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス感染症の影響だった。テレワークが日常化したこともあり、コピー用紙などの洋紙需要の著しい減少を招いた。従来の紙材の販売だけでは収益改善も限定的であるため、同社は紙加工業への進出を考え、取引金融機関とともに今回の相談に至った。
同社の売上は2000年代をピークに減少。近年の紙需要の低迷を受け、洋紙以外の関連商品へ裾野を拡げて営業活動を行ってきたが、洋紙の需要減少を補うに至らない状況であった。薄利多売で事業を継続してきた経緯から、需要減少の影響を大きく受けている上、仕入価格も年々高騰しているため、利益率も減少の一途をたどっていた。さらに令和2年からの新型コロナウイルス感染症流行の影響により、出荷数量の減少に拍車がかかり、従来の売上至上主義の経営が限界に達していた。新分野での事業に商機を見出せないものかと考えていた相談者は、段ボールやパッケージを作るための板紙の需要が、洋紙に比べて減少していない状況に着目。事業の高付加価値化を図るため、板紙を利用したパッケージ関連の加工分野への参入を考えていた。
COはまず、同社の沿革と取り組んできた社内改革を時系列で整理し、同業他社と比べた強みを分析。長い歴史の中で構築した地域での流通網を、新分野展開に応用することを考えた。また、同社が紙材を卸している紙加工事業者にアンケートも実施。小規模事業者も多く、多品種・小ロットの依頼が増えるなか、新たな高機能加工機の導入に躊躇している取引先が多いことを把握できた。このことから、同業他社との競合も避けられる、高機能加工機によるパッケージ加工の中間工程「平判打ち抜き加工」に進出することにした。
まだ数件ではあるものの、印刷加工の新規案件を獲得し、事業再構築に向けた大きな一歩を踏み出した。今後は、中期経営計画を作成して理想とする組織を明確化し、それに至る支援を行う。卸売価格に含まれていないサービスの洗い出しによる適正価格の設定や、デジタルツール導入などによる各部署の業務の見える化、加工事業拡大に向けた採算管理体制の構築を図り、同社の自走を後押ししていく。
・SWOT分析や3C分析、アンゾフの成長戦略といった現状分析の枠組みを紹介
・多面的な視点で、新分野の事業性を評価する支援を実施
・競合回避、加工機の優位性、流通網の活用の観点から実現可能性を検討
高付加価値化に向けた加工事業は始まったばかりですが、金融機関を交えた毎月の経営幹部会議に出席していただき、計画の進捗への意識が社内に浸透してきています。また、業務の見える化を通じた新しい組織作りに向け、多くのアドバイスもいただいています。時代に即した堅実、着実な組織体制を見出し、今後も紙の力で地域を支えていきたいと思います。