カフェスタイルから専門店化への 業態変更により、売上は相談前の約2倍に
同社は、補正下着の販売店を営みながら、同店舗内でエステ事業とカフェ事業を展開する。平成30年に店舗1階にて開業した飲食店「デルカフェ」は、洋食を中心として、こだわりのカジュアルメニューを提供している。主要幹線道路沿いで車の往来が多く、近隣にはショッピングセンターがあるなど立地環境が恵まれているのが強み。
代表者:代表取締役: 高橋 弘子(たかはし ひろこ)、DEL Cafe店長: 高橋 輝(たかはし てる)
住 所:〒761-8072 香川県高松市三条町106-6
連絡先:087-867-8444
同社が営む飲食店「デルカフェ」では、モーニングやランチメニューの改変などさまざまなメニューの工夫や取組を行っていたものの、売上が思うように伸びず、利益が出ていなかった。そこで、相談者である社長は金融機関からの紹介で、当拠点に相談に訪れた。相談を受けたCOは、具体的内容についてヒアリングを行うとともに、店舗への訪問と、店長に対するヒアリングを実施した上で、改善の方向性を検討した。
COは、ヒアリングと現地確認を通じて経営課題を抽出した。その結果、中心メニューの欠如が大きな課題と判明した。カフェスタイルによる洋食メニューの提供店舗であるために、ハンバーグなどの一般的なメニューでの展開がありながら、固有のメインアイテムが存在しなかった。また、メニューが多いことにより、調理の所要時間や必要人員が増大し、売上に対して人件費率が高く、同時に食材の廃棄ロスが多く発生している点も課題であった。
COは、単一メニューによる専門店化を検討し、話し合いの結果、店長にとって自信作であるハンバーグの専門店化をめざした。メニュー強化を図るため、地域内ブランドの「オリーブ豚」の素材提供者とのマッチングを実施。試作を繰り返して、「オリーブ豚ハンバーグ」を中心アイテムとした。さらに、ブランド化をめざして、香川県が実施した「県産品コンクール」に出展。また、店内飲食に加えて、卸販売やテイクアウトメニューを強化することを進言し、県内の観光地での販売や、高価格に設定したテイクアウト商品を百貨店などで販売した。
出展した県産品コンクールでは、「オリーブ植栽110年特別賞」を受賞。認知度の向 上につながり、TVや雑誌などでのメディア露出も増加した。さらに、医薬品卸事 業者などの固定顧客も獲得した。現在、店舗外での売上を含めて、全体で相談前 の約2倍の売上を達成している。また、「ハンバーグ専門店」として、ギフト対応商品 や常温保存対応が可能な缶詰などの企画開発を進めた結果、今年度の「かがわ県 産品コンクール 優秀賞」を受賞した。
相談者の対応可能な規模や生産体制を把握し、適正規模の売上計画と手の届く範囲での提案を心がけました。また、飲食店の経営が初めての相談者だったため、店舗やメニューのこだわりのポイントを傾聴し、課題を整理した上で、相談者目線での提案を心がけました。点と点をつなげる線を意識した提案が奏功しました。
当社の店舗規模や組織体制を把握していただいた上で、事業転換について具体的な提案を受けたことから、経営改善を達成し、さらに新たな成長に向けた道筋をつけることができました。今後、飲食事業に加えて、食品製造業への着手も計画中であり、引き続き自社の強みを活かした事業展開を行っていきたいと考えています。