伝統漬物を次世代に引き継ぐデザイン性を重視した「みのぼし南蛮」が完売続出
2011年3月10日、釜石でスーパーを開店したが、翌日に東日本大震災で罹災。店舗に残った素材でお弁当を配り、復興支援に尽力した。現在は釜石・盛岡で宅配メインの『シェフズ弁当』、盛岡駅ビルで自社製造弁当と有名飲食店のこだわり弁当を販売している。「食で地域と地域を繋ぎ元気と幸せを届ける」が理念。
代表者:代表取締役 小澤 伸之助(おざわ しんのすけ)
住 所:〒026-0024 岩手県釜石市大町1丁目10-5
連絡先:090-8744-8855
相談者が当拠点に、自社製造している特注弁当のおかずの中で大人気という漬物を持参。『みのぼし南蛮』と呼ばれるその漬物は、拍子木に切ったゴボウ・人参・大根の根菜3種をシソの葉で巻き、ピリ辛に漬けたもので、江戸時代から作られてきた岩手の伝統漬物である。相談者はこの漬物を単独で商品化したいと考えたが、外販可能な自社商品の開発は未経験であった。そこで当拠点の支援を受けながら、開発に取り組むことになった。
COが、漬物業者の動向を調査したところ、2~3社が同様の漬物を販売、真空パック10個入300円程度と安価であった。同社の『みのぼし南蛮』は製造に手間がかかるため、他社と同じ仕様では、利益が出ないことが判明。また昨今の食文化の多様化で漬物需要は激減しており、現行の『みのぼし南蛮』を単に商品化するだけでは、特に若い世代の需要を喚起できないと思われた。そのため、商品化にあたって、同漬物の付加価値を高める商品設計を課題とした。
COは、『みのぼし南蛮』は見た目は地味だが断面は驚くほど美しいことに注目し、お弁当・食事・お茶受けなどを想定した、美しい切り口を見せる商品作りを提案。『カラフルCUBE 』を商品名に、切り口がカラフルかつ正方形になるように改良。専門家派遣事業を活用してデザイナーの支援も受け、パッケージ・ロゴなど、商品に関わる全てを正方形で作成。デザイン性が高く、高付加価値な商品に生まれ変わった。
出来上がった「カラフルCUBE」は150g・540円(税込)で販売している。現状は日に100個が製造限度だが、即日完売するなど大好評である。自社の実店舗はもちろん、ふるさと納税返礼品・県内道の駅各店舗・県内大手スーパー、また、業者を通じ東京と福岡でも販売している。TV通販でも紹介される予定となっており、今後は更なる増産体制を構築すべく、製造工程の機械化も検討している。
初の自社商品開発のため、同社の製造能力を見極めつつ、慣れで雑になりやすい製造工程のチェックなども助言しました。
新発売時にプレスリリースを実施し、新聞・雑誌への掲載で市場の浸透を加速させました。展示会への出品でバイヤーとの関係も構築しました。
漬物を「売れる商品にしたい」と相談しました。地味な漬物がまったく新しい形の商品に進化し、感動しました。『カラフルCUBE』の商品名を具現化すべく正方形にこだわるのが難しかったです。いつも親身に相談に乗ってくださるCOには大変感謝しています。