次世代に遺す高度植物管理ノウハウを生かした新規事業でV字回復 | よろず支援拠点全国本部

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次世代に遺す高度植物管理ノウハウを生かした新規事業でV字回復

同社は石川県小松市に事業所を構え、観葉植物のレンタルを主力事業として展開している。病院、介護福祉施設、銀行や企業が顧客であり、ピーク時は300先と取引していた。

公開日: / 都道府県:石川県 業種:その他 課題: 事業承継

緑松園

代表者:中西 喜美枝(なかにし きみえ)
住 所:〒923-0011 石川県小松市蛭川町甲48
連絡先:0761-24-0782

同社は石川県小松市に事業所を構え、観葉植物のレンタルを主力事業として展開している。病院、介護福祉施設、銀行や企業が顧客であり、ピーク時は300先と取引していた。

公開日:
都道府県:石川県/業種:その他/課題:事業承継

緑松園

代表者:中西 喜美枝(なかにし きみえ)
住 所:〒923-0011 石川県小松市蛭川町甲48
連絡先:0761-24-0782

目次

  1. 相談のきっかけ
  2. 課題
  3. 支援内容
  4. 支援の成果

相談のきっかけ

廃業する同業者の技術を後世に遺すため事業承継を決意

金沢市の園芸サービス業者役員である相談者は、小松市で観葉植物のレンタル・販売を行う同社が、コロナ禍における売上減少や原油高の影響により廃業することを知った。同社を訪れた相談者は、温室の中で植物が生き生きとしている様子に感銘を受け、この技術を無くしてはいけないと、当時の代表者に事業承継を申し出た。事業承継の具体的な手続きや経営課題の整理のため、石川県事業承継・引継ぎ支援センターと当拠点へ相談に訪れた。

課題

将来の事業承継を見据えた後継者探しと技能の承継

事業承継に当たり二つの課題があった。一つ目は「次の事業承継を見据えた後継者候補探し」である。同社の前代表者は70代、相談者は60代であるため若い後継者候補を探す必要があった。そうしたなか、同社の顧客であった30代の人物が植物管理に強い関心をもっていることがわかり、同社の事業を一緒に承継する話がまとまった。しかし、後継者候補は資金がなく、経営ノウハウもなかったため、まずは相談者が事業承継し後継者候補と二人三脚で事業を行うことにした。二つ目の課題は、植物を生き生きと育てる「技能の承継」である。同社の強みは前代表者の高度な植物管理ノウハウである。光の当て具合や水の量などのノウハウの承継を行う必要があった。

支援内容

技能の承継計画と観葉植物のワークショップ開催を支援

石川県事業承継・引継ぎ支援センターの税理士サブマネージャーが事業用資産を確認した結果、事業承継に税負担がないことがわかった。そこで、専門家派遣制度を活用し事業承継計画策定を支援。「技能の承継」を重要課題とし、前代表者のOJTを中心に計画的に進めることにした。また、当拠点のCOはコロナ禍のテレワーク普及をきっかけに自宅に観葉植物を置く人が増加、観葉植物市場が拡大し、コロナ禍収束後も観葉植物のメンテナンス需要は継続すると分析。個人の観葉植物のメンテナンスに注力するようアドバイスした。具体的には、観葉植物再生ワークショップを定期的に開催。メンテナンス方法を指導し、元気な観葉植物を世の中に増やすことを提案した。

支援の成果

観葉植物の体験教室が大人気となり事業は成功へ

事業承継計画をベースに持続化補助金を申請し採択を受けたことで、新たに観葉植物の体験教室を整備。集客には、当拠点デザイナーCOのミニセミナーやSNS集客の相談窓口を利用。アドバイスを受けながら同店でチラシを作成し配布を行った。それまで店舗にほとんど来店客がなかったが、体験教室開始から2カ月で約30名の集客に成功した。二人の後継者を主体とした事業が軌道に乗り、計画に基づき事業承継が完了した。

事例を振り返って

● 先代の実績や経験を生かした経営体制の構築を提案
● 先代と後継者の意向を重視して新事業をサポート
● 技能承継の課題を洗い出しスムーズな事業承継を支援

相談者の声

相談に行く前は、目の前が暗く不安な気持ちしかありませんでした。しかし、自分たちの取るべき行動を具体的にアドバイスしてくださり、リスクと選択肢を説明しながら支援してくださったおかげで、光が見えました。事業承継という縁結びだけでなく新事業の発展のために、今後ともお力添えをお願いしたいです。

支援した拠点

石川県よろず支援拠点

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