安心安全のECサイト「正直薬局」でBtoCに進出 コロナ禍のなか増収増益を達成
1933年創業、1973年会社設立。石川県内のドラッグストアや薬局、調剤薬局に対して健康機器・ベビー用品・家庭医薬品・介護用品・日用消耗品・健康食品の卸販売を行っている。約200店の取引先に対してルート営業をする県内有数の卸売業者。
代表者:代表取締役社長 山﨑 浩一(やまざき こういち)
住 所:〒920-8005 石川県金沢市瓢箪町5‐6
連絡先:076-263-6517
2代目である相談者は高齢を理由に、息子である専務を3代目として、事業承継することを検討していた。しかし、市場の縮小で事業の先行きが不透明なため、今後の事業展開にある程度目途を立ててから承継したいと考えていた。しかし、自分達だけではよい考えが浮かばないため、アドバイスが欲しいと、息子と共に当拠点を訪問した。
ドラッグストアの大量出店や人口減少による地場取引先の縮小、大手卸やEC卸との価格競争といった厳しい外部環境により、同社の売上は下落基調。さらに取引先からの値下げ要求によって、利益率も低下していた。相談者もこれらの要因は理解していたが、自らや従業員の高齢化もあり、有効な対策が打てずにいた。そこでCOは、自ら価格をコントロールでき、高い利益率が見込める新規市場の設定と開拓を課題とした。
COは具体策として、ECサイト構築によるBtoC事業への進出を提案。IT業界での経験を持つ相談者は、当初、大手卸やEC卸との価格競争に陥るのではないかと躊躇していた。そこでCOは、同社の強みである医療品卸の知見を生かし、商品を丁寧に解説して販売することで、一定のニーズを獲得できる可能性があることを助言。プロが選択した商品を適正価格で販売するECサイト「正直薬局」がスタートした。
ECサイト立ち上げ直後に、新型コロナウイルスが発生。アルコール除菌液の不足により粗悪品が廉価で流通する中、「正直薬局」では安心安全な国産品を適正価格で販売し、利用者から高い評価を得た。その後、大手ECサイトにも出店、7月の売上は前年比1.9倍になった。ゼロから立ち上げたECサイトは同社全体の売上の1/3を占めるにまで成長し、利益率も改善した。今後も伴走型支援を続け、息子への事業承継支援にも着手する予定。
相談者は理論型であり、何故それをする必要があるのか納得いくまで説明した。次回相談までの目標を作り、進捗を確認。行動が定着するよう定期的にフィードバックを実施した。販売の結果を見てともに一喜一憂するなど、伴走型支援を心がけた。
医療品・医薬品卸で培った、商品の品質に対する信頼や安全性についての知見をどのようにECにつなげていくか、COと一緒に考えることができた。価格を含めて正直に伝えることを顧客価値とするサイトを構築し成果を実感した。適切な助言が大きな助けになった。