「完全バリアフリー型」貸切風呂によるビジネスホテル事業の再構築
昭和54年4月に北陸自動車道小松ICそばにてビジネスホテルとして開業。昭和61年に名称「小松グリーンホテル」に改名。大浴場の要望が高かったことから温泉を掘ったところ、天然温泉が噴き出したため、公衆浴場の運営に乗り出した。平成29年には旧館を改装し、宿泊利用者は年間1万3千人で稼働率80%超、公衆浴場利用者は年間8万人と安定した売上を確保していた。泉質の良さで観光客、地元住民に親しまれている。リピーターも多い。
代表者:畑 徹郎(はた てつろう)
住 所:〒923-0002 石川県小松市小島町ル41番地
連絡先:0761-21-8911
昭和54年4月に北陸自動車道小松ICそばにてビジネスホテルとして開業。昭和61年に名称「小松グリーンホテル」に改名。大浴場の要望が高かったことから温泉を掘ったところ、天然温泉が噴き出したため、公衆浴場の運営に乗り出した。平成29年には旧館を改装し、宿泊利用者は年間1万3千人で稼働率80%超、公衆浴場利用者は年間8万人と安定した売上を確保していた。泉質の良さで観光客、地元住民に親しまれている。リピーターも多い。
代表者:畑 徹郎(はた てつろう)
住 所:〒923-0002 石川県小松市小島町ル41番地
連絡先:0761-21-8911
同社はコロナ禍の影響を受けて、令和3年3月度売上高は前期比で宿泊が70%、飲食61%、 宴会60%と激減した。商工中金、日本政策金融公庫から新型コロナウイルス感染症対策融資を受けていたが、「現状のままではいずれ資金が枯渇してしまう」と懸念し、新たな事業を検討。その際、天然温泉を強みとした家族風呂の需要が堅調だったため、この分野の大幅な拡大を狙った。施設の改修に向けた資金調達を商工中金に打診したところ、「経営改善計画の策定が必要」と返された相談者は、商工中金担当者とともに当拠点へ相談に訪れた。
COのヒアリングによると、浴場部門は落ち込みなく推移する一方、宿泊部門の売上減少が顕著であった。コロナ禍が収束しない場合、新型コロナウイルス感染症対策融資の返済が始まる3年後には原資が不足すると懸念された。また、積極的な設備投資を行わないと、いずれ売上が減少してキャッシュの不足が予想された。この事態を回避するため、新たな収益の柱となる事業が必須であった。そこで、COの提案のもと、強みである天然温泉の泉質や心のこもった接客を生かし、高齢化社会などの社会変化に対して、「完全バリアフリー型」貸切風呂の展開を決定した。
新事業の立ち上げに併せて、COは事業再構築補助金の活用を提案。相談者は障がい者施設を見学するなど、従来にない事業コンセプトの実現をめざした。そして、相談者が策定した計画について、COの助言のもとでブラッシュアップを重ねた結果、補助金の採択に至った。また、新事業を周知するため、SNS、TVCM、地域誌に加えて、新聞、TVなどパブリシティも活用した。一方、既存事業のビジネスホテル事業についても毎月資金繰り表、稼働率の状況や競合の料金などを確認しつつ対策を講じた。
令和4年5月全国初の「完全バリアフリー型」の貸切風呂が完成。高齢者や障がい者でも安心して入浴を楽しめる、人に優しい施設となった。開業から1ヵ月後の7月のバリアフリー貸切風呂10室の平均回転率は2.4回となり、月間売上は75万円アップした。繁忙期の冬場は回転率4回以上を見込んでいる。今後、広報活動を継続することで認知度を高め、売上アップをめざす予定。同時に、ビジネスホテル事業もリピーター客を中心に稼働80%を超え、同年7月には営業利益で黒字化を達成した。
資金繰りが厳しい上、コロナ禍の見通しが立たない中で、新規事業の立ち上げを支援するとともに、積極策だけで走らないように支出面にも目を配りながら支援を心がけました。取引先への支払い、運転資金についての金融機関との調整でも、早め早めに連絡し相談してもらうことで資金繰りを一緒になって考えました。
コロナ禍において先々の不安に悩んでいた際、事業の立て直しについて前向きに助言していただきました。事業再構築補助金の獲得に向けた支援に加えて、資金繰りの調整や新規取引の銀行探しなどについても教えていただきました。おかげで補助事業を完了し、未来に新たな目標を持って前進ができるようになり、感謝しています。