原価意識を通して経営管理の必要性に目覚めた若手経営者の進化 | よろず支援拠点全国本部

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原価意識を通して経営管理の必要性に目覚めた若手経営者の進化

帯広市の和菓子製造小売業。小規模な店舗ながら串団子のおいしさに定評がある。他商品は各種もち、大福、どら焼きなど。令和2年12月に事業承継した後継者(40代)が3代目社長に就任した。

公開日: / 都道府県:北海道 業種:小売 課題: 価格転嫁

有限会社 さかき屋製菓

代表者:国重 隆司(くにしげ たかし)
住 所:〒080-2472 北海道帯広市西22条南2-21-7
連絡先:0155-33-6517

帯広市の和菓子製造小売業。小規模な店舗ながら串団子のおいしさに定評がある。他商品は各種もち、大福、どら焼きなど。令和2年12月に事業承継した後継者(40代)が3代目社長に就任した。

公開日:
都道府県:北海道/業種:小売/課題:価格転嫁

有限会社 さかき屋製菓

代表者:国重 隆司(くにしげ たかし)
住 所:〒080-2472 北海道帯広市西22条南2-21-7
連絡先:0155-33-6517

目次

  1. 相談のきっかけ
  2. 課題
  3. 支援内容
  4. 支援の成果

相談のきっかけ

事業承継後に札幌進出を目指す3代目社長の挑戦

相談者は令和2年12月に事業承継した後継者(40代)で、3代目社長。相談者には札幌進出の夢があり、その準備方法などの相談で当拠点札幌本部へ相談に訪れた。札幌本部の紹介により2回目以降の相談は十勝サテライトで実施した。相談者は札幌市内での出店エリアについて検討している段階だったが、COによるヒアリングの過程で直近期は赤字決算だったことが判明。まずは黒字体質への回復が同社の最優先課題であると確認した。

課題

原価管理の認識不足や販売戦略のずれが赤字の原因

COのヒアリングで、相談者は原価管理の基本を十分には理解していないことが判明した。創業者(祖父)や2代目社長(実父)は、長年の実務経験で培われた感覚で業歴を重ねてきたと考えられる。利益を生む仕組みを構築するために、相談者には原価管理の手法とその重要性を説いた。また、販売戦略の見直しにも取り組んだ。同社商品の強みが「手作り」にあること、顧客の支持を得ているのは「串団子」であることを再確認。一方で、どら焼きやまんじゅう類は、地場有力菓子メーカーと同じ土俵で勝負していることを洗い出した。限られた経営資源の中で、まずは「自社の強みを生かし、串団子での収益力強化を図る」方針を定めた。

支援内容

商品ごとの原価計算から伴走支援スタート

まず同社が扱う17商品の原材料費の算出や個々の原価率の確認に取り組んでもらった。これまでの感覚的な管理とは異なり、数値として目の当たりにすることで「団子1本にこれだけのコストがかかっている」と実感できた。この意識の変化は相談者にとっては新鮮な感覚だったという。また、原価管理の意識付けを重点的に行った結果、これまでは長年の慣習で外部から仕入れていた原材料が実は自社製造が可能であること、消費者目線では不要と思える類似商品の存在などが見えた。結果、10種類あった串団子を9種類に絞り込むことを決定した。その後、新商品に関する相談でも原価計算が真っ先に話題になるなど、原価管理の意識が習慣化してきた。

支援の成果

客単価も売上高もアップしさらなる差別化にも意欲

本件相談を通じて、原価計算に基づく販売価格の見直しを実施した結果、業績は好転。令和6年5月の客単価は前年同月比20.2%上昇、売上高は同29.2%増加となった。価格見直しが顧客減少を招くことはなく、改めて同社の商品力を確認できた。かねてから串団子の人気は把握していたが、「当社の強み」「差別化戦略の核」であると再認識できたことが鍵となった。今後は季節限定商品の開発にも取り組み、さらなる差別化を図る。

事例を振り返って

● 原価管理の習慣化に向けた徹底サポート
● 強みを生かした主力商品の差別化を提言
● 商品開発や価格設定の重要性をアドバイス

相談者の声

一人の力では目標に向けてのグランドデザインをうまく描くことができず、知識や経験の不足を痛感し、よろず支援拠点を訪ねました。お話を聞くうちに「やはり相談して良かった」と何度も思いました。アドバイスや専門知識を得ることができ、目標実現に向けての具体的な行動が明確になりました。

支援した拠点

北海道よろず支援拠点

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