長女への事業承継とwithコロナ時代を見据えた、魚介居酒屋から餃子店への業態転換
同社は札幌市すすきの地区の有名老舗居酒屋を経営していた。北海道産の新鮮な魚介類を特盛にしたお刺身が看板メニューで、元中華料理人の社長が作る、肉まん並みに大きくボリュームのある「てっちゃん餃子」も人気メニューのひとつ。地元客はもちろんのこと、観光客も多く訪れる名店であった。
有限会社てっちゃん
代表者:代表取締役 佐藤 ゆかこ（さとう ゆかこ）
住 所:〒065-0042 北海道札幌市東区本町2条5丁目7-13
連絡先:090-6990-5026
目次
- 相談のきっかけ
新型コロナ感染症の影響で廃業を検討 事業承継を希望する長女が相談に来訪 - 現状分析・課題設定
新型コロナ感染症対応の支援施策も踏まえ最適な事業継続方法を模索 - 提案・実行支援
事業承継し餃子専門店に業態変更 商業地域へ移転しテイクアウトも実施 - 支援成果と今後の展望
廃業を食い止め、顧客を守り再オープンに向けて準備中
相談のきっかけ
新型コロナ感染症の影響で廃業を検討 事業承継を希望する長女が相談に来訪
新型コロナの影響で売上が激減したことをきっかけに、高齢の社長は居酒屋を閉店。廃業を決意して準備を進めていた。一方、長年同店に勤務した長女は、事業承継を検討しながらも、一度廃業して新規創業すべきか、現在の屋号を引き継ぐべきか、またwithコロナを見据え、居酒屋から業態変換すべきかについて悩み、当拠点に訪れた。
現状分析・課題設定
新型コロナ感染症対応の支援施策も踏まえ最適な事業継続方法を模索
COが現状把握を行ったところ、廃業の準備を進めてはいたが、幸いなことにまだ廃業手続を完了してはいなかった。同社の過去の決算書内容を確認し、業績の客観的な評価を行ったところ、会社存続は十分可能であると判明。長女による事業継続を既定路線に、政府による新型コロナ対応支援策も踏まえ、事業承継をすべきか、一度廃業して長女が再度創業すべきか、また、居酒屋から業態転換すべきか、検討することが課題となった。
提案・実行支援
事業承継し餃子専門店に業態変更 商業地域へ移転しテイクアウトも実施
有名店である同社の閉店ニュースは、多くのメディアが大々的に取りあげ、惜しむ声が寄せられていた。COは、事業承継することで父のノウハウと店名を引き継ぐことが、承継後の広報にも有利と判断。事業継続により、持続化給付金の受給対象にもなる。居酒屋より利益確保が見込める餃子店に業態変更し、かつ繁華街から商業地域に移転してテイクアウトを実施することを提言。COは内部資源や市場環境を分析し、事業計画の策定も支援した。
支援成果と今後の展望
廃業を食い止め、顧客を守り再オープンに向けて準備中
一度は廃業を決意した社長であったが、事業承継によって会社を存続させることができ、顧客を守ることにつながった。廃業していたら受給できなかった持続化給付金等も満額受けられ、再出発への準備資金を得ることができた。新型コロナの影響で外食自粛や観光客の減少が続く中、事業承継を機に思い切った決断が行いやすくなり、業態転換しての再出発を決断できた。
廃業手続を進める社長に対し、事業承継を希望する長女の思いを伝え、経営を継続させるためのモチベーションをどう維持するかを一緒に考えました。コロナ禍を乗り越えるため、ピンチをチャンスととらえ、ドラスティックな業態変更が成功するよう支援しました。
またたく間に日常が変わり不安に立ちすくむなか、事業承継や今後の経営展開について専門的なアドバイスや、事業継続のために申請するべき助成制度等を丁寧に教えていただき、前向きに舵を取ることができました。心強いサポートをいただき大変感謝しています。
