「ごはんに合う」「ウィスキーのおとも」・・・ カテゴリー提案型販売戦略で売上6.4倍を達成
平成23年創業。小樽駅構内で後志(しりべし)産の食を中心に食料品店「駅なかマートタルシェ」を運営。現地生産者と一緒に商品化を検討し、常時約1,000アイテムの商品を取り揃える。厳選した商品を移動販売車で市内各所に販売するほか、ネットショップで全国販売を行っており、優良経営食料品小売店等表彰で最高賞を受賞。
代表者:斎藤 哲治(さいとう てつはる)
住 所:047-0032 北海道小樽市稲穂2丁目22番15号
連絡先:0134-31-1111
小樽市民の食卓と観光客のお土産選びに、おいしいものを紹介する駅なかのマルシェとして平成24年4月25日より営業を行っている。新型コロナウイルスの影響により、小樽市の観光客が前年比△62.9%と減少する中、売上拡大に向けた対策が必要となっていた。後志(しりべし)地区の物産販売を強化したいが、地域の特色を出した販売方法がわからずに悩んでいたところ、小樽物産協会から当拠点を紹介され、相談に至った。
COは、相談者が扱う商品及び売場について現状確認を行ったところ、小樽市の観光客が減少する中、同社は売上の減少を最小限に留めていたことがわかった。しかし先行きが不透明な中、新たな取組を行う必要があると判断し、新型コロナウイルスの影響で「家飲み」、「家食」の増加など消費者のニーズが変化している事から「ターゲットとする顧客の設定」、「顧客に合わせた販売手法」、「スタッフのスキル向上」を掲げ、売上拡大に取り組むことにした。
顧客ターゲットを「家飲みや家食をする人」に設定し、地域ブランドのイメージを保ちつつ「ごはんに合う」や「ウイスキーのおとも」など、消費シーンに関連性のある商品をカテゴライズした販売方法と売場づくりを提案。カテゴリーに応じた商品選定を通じ、スタッフの商品知識を高めることで、来店客へ積極的に提案することができる人材育成にもつながることを説明。相談者は商品に貼るカテゴリーごとのラベル作成や陳列用ミニのぼりを作成し、期間を設けて販売を実施し、年間計画も作成した。
実践した販売戦略の結果、地域住民、観光宿泊客、ビジネス宿泊客からの反響が大きく、企画対象商品を前年同期間で比較すると、「ごはんに合う」企画は1.6倍、「ウイスキーのおとも」企画は6.4倍の売上高と、大幅に増加した。また、カテゴリー提案型販売戦略により、スタッフの商品知識が深まり、接客サービスも向上するなど人材育成効果も得られた。
相談者は、百貨店での長年の勤務経験を生かして、創業以来、観光客だけではなく、地域住民にも愛されるお店づくりを行ってきました。これまで築き上げてきたお店の「ブランドカ」を、消費者のニーズ変化に合わせた新たな販売戦略により、さらに強化できるように支援しました。
新しい企画に取り組んだことで、店頭ディスプレイの年間計画が立てやすくなりました。また、従業員
が商品選定から全てを行う事によって、モチベーションの向上にもつながりました。さらに、ミニのぼりなどのディスプレイによって来店客の視点が定まり、売上向上にもつながりました。