年間約1,000万円のコスト削減で黒字化を達成し、資金調達にも成功
相談者の会社は、売上がピーク時から約40%減少したにもかかわらず、経費削減の対策が実施されず、実質赤字計上が続いていた。高齢なことから後継者である息子に円滑な事業承継をしたいと考えているが、資金繰りの見通しが立たない現状では難しい。そこで経営改善と事業再生を望み、来訪相談に至った。
金融機関からの支援体制も消極的で、この数年は資金繰り対策に要する時間や体力の消耗が著しく、営業活動もおろそかになり売上がさらに減少するという、負のスパイラルに陥っていた相談者。そこでCoは、経費明細、人件費明細、保険、その他雑費等の内容をヒアリングし、一つひとつを検証。その結果、キャッシュフロー不足解消のためには、「多数の無駄や縮小できる項目の削減」が課題であると分析。これらを項目ごとに分け、「すぐにできること」、「1年以内にできること」、「3年間でできること」に、それぞれ優先順位をつけて分類。概ね3年以内に実質的な改善が完了できる見通しであると分析した。
元銀行支店長であるCoは、削減できる経費の項目ごとに目標値を設定し、優先順位をスケジュール化することを提案。これを受けて相談者が作成した1年目(改善計画初年度)の計画書と3年後となる経費削減完了後の計画書内容の精査や検証を行った。完成した改善計画書は実現性が高いと思われることから、金融機関に提出・説明を行って信頼を取り戻すよう助言。
計画書をもとに、経費削減策をスピード感をもって実行していった結果、年間で約1,000万円の赤字額の削減を達成し、黒字転換に成功した。さらに、この努力が金融機関にも認められ、新規の借入の成功にもつながった。その後もスケジュール通りに経営改善を進捗させたことで、平成30年6月期の決算がV字回復。金融機関からの融資提案もなされるようになり資金繰りも安定したことで、事業承継にも取り組む準備ができた。