クラウド導入で事業の「選択」を図り人的資源を新事業に「集中」
大正3年5月創業。炭その他燃料販売を始めて107年の歴史がある。宇和島市を中心としたLPガス販売事業を軸に、住宅リフォーム事業・保険事業を展開。平成8年にLPガス販売を主幹に法人化。平成28年には火災保険、生命保険の代理店事業を開始。地域の人々に快適で便利な暮らしを提案している。
有限会社長瀬商店
代表者:長瀬 善宣(ながせ よしのり)
住 所:〒798-0006 愛媛県宇和島市弁天町1丁目7-5
連絡先:0895-22-0861
目次
- 相談のきっかけ
災害に強い経営基盤を作っていきたい - 現状分析・課題設定
限られた従業員数で仕事の質を向上し生産性を高める - 提案・実行支援
事業計画書の骨子づくりをサポート - 支援成果と今後の展望
自動検針システムで600件分の検針作業が不要化、70時間の削減に!
相談のきっかけ
災害に強い経営基盤を作っていきたい
ここ数年全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が相次いでいるが、宇和島市でも平成30年7月の豪雨災害によって多くの人が被災。同社では幸いに被害はなく、事業を継続しているが、今後の災害の備えが必要であり、災害に強い経営基盤を作るため業務改善の事業計画を策定したく、宇和島商工会議所を通じて当拠点を紹介され、相談に至った。
現状分析・課題設定
限られた従業員数で仕事の質を向上し生産性を高める
同社の主幹のガス事業は、検針、配送、事務作業である。約850件の顧客は、松山市から愛南町と広範囲にわたり、毎月の検針作業に10日間を要する。配送業務はコロナ禍でガス使用量の変動予測が立たず、配送頻度が増加。事務作業の顧客データは手入力であり、多い日は半日を費やしている。顧客データは毎日USBにバックアップしているが、今後の災害に備えながら、限られた従業員数で仕事の質を向上し、生産性を高める必要に迫られている。
提案・実行支援
事業計画書の骨子づくりをサポート
災害時のデータバックアップも念頭に、クラウド上でガスメーターの自動検針情報を集中管理し、検針業務と配送効率を図れる「エネルギー事業者向けクラウド型顧客管理システム」を導入し、そこで生まれた時間で住宅リフォーム事業、保険事業を強化することを提案。COはまず、導入するクラウドシステムの概要を整理。事業計画書に必要となる現状の課題と導入後の想定効果、社内の事業体制をヒアリング。事業計画をブラッシュアップしながら、地元商工会議所と連携し取組を推進。あわせて「ものづくり補助金」の事業計画策定も支援。
支援成果と今後の展望
自動検針システムで600件分の検針作業が不要化、70時間の削減に!
顧客管理システムのクラウド化で顧客データのバックアップが不要となり災害リスクが解消。また、自動検針システムを導入した令和3年3月以降、検針作業の不要化を進め、令和3年7月検針時には600件の作業が不要となり、約70時間の労働時間の削減になった。配送業務は配送予測の信頼性が向上し、配送時間を約15%短縮。捻出した時間で強化した住宅リフォーム事業や保険事業の営業活動の成果が見えはじめた。以前は顧客と対面していたガスの開閉栓はシステムで行え、コロナ禍で顧客と従業員を守る体制も構築できた。
「ものづくり補助金」は難易度が高く計画に時間がかかるため、相談者のペースを確認しながら支援を行いました。ポイントは審査員に明確に取組意図を伝え、理解してもらう必要性があることから、システム内容、導入手順、効果をわかりやすく伝え、グラフやスキーム図、写真を活用して視覚的に判断できる事業計画書にするようアドバイスを行いました。
私たちでは見つけることができなかった新しい情報や、知らなかったことなどを分かりやすく説明していただきました。慣れない作業で不安もありましたが、COには丁寧に対応していただいたので安心して進めることができました。忙しい中でも連絡をしていただき、本当に助かりました。
