SDGsの循環型陸上養殖で青海苔の商品化
昭和46年、千葉県柏市で海苔・乾物の専門問屋として創業した「株式会社小林海苔店」。地域の卸売市場を拠点にして、千葉県はもちろん、全国各地から原料を仕入れて販売を行っている。平成28年に兄弟(兄が社長で弟が専務)で事業承継した。その後は先代の父親が築いた海苔と乾物の専門問屋の実績を生かしながら、海外輸出や通販事業、道の駅や農産物直売所へのサテライト出店、自社加工施設の立ち上げなどを行い、積極的な事業拡大に取り組んでいる。
代表者:小林 忠祐
住 所:〒277-0861 千葉県柏市高田1042-5
連絡先:04-7131-2829
URL:https://kobayashinoriten.com/
昭和46年、千葉県柏市で海苔・乾物の専門問屋として創業した「株式会社小林海苔店」。地域の卸売市場を拠点にして、千葉県はもちろん、全国各地から原料を仕入れて販売を行っている。平成28年に兄弟(兄が社長で弟が専務)で事業承継した。その後は先代の父親が築いた海苔と乾物の専門問屋の実績を生かしながら、海外輸出や通販事業、道の駅や農産物直売所へのサテライト出店、自社加工施設の立ち上げなどを行い、積極的な事業拡大に取り組んでいる。
代表者:小林 忠祐
住 所:〒277-0861 千葉県柏市高田1042-5
連絡先:04-7131-2829
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近年、海苔市場は、生産者の減少などで青海苔の収穫量が不安定になり、価格変動も激しい状況にある。そこで、相談者はアワビの陸上養殖を行う県内企業と業務提携し、首都圏初のアクアポニックス(循環型陸上養殖)プロジェクトで実証実験を開始。実験を経て、青海苔の陸上養殖は見事成功したが、次のフェーズである商品化と小売の経験が少なかった相談者は、そうした支援を求めて、千葉県産業振興センターからの紹介で今回の相談に至った。
体力と思考も冴えている若いうちに事業承継を行うという先代の方針を受けて、平成28年に30代で同社代表取締役に就任した相談者。その後、同時に専務に就任した弟と協力し、先代が築いた海苔と乾物の専門問屋の実績を生かしながら、海外輸出や通販事業、道の駅や農産物直売所へのサテライト出店など積極的な事業展開を行い、経営は順調であった。同社が取り組んだ「青海苔の陸上養殖」プロジェクトも、千葉県の「ちば地域課題解決実証プロジェクト補助金」に採択されるなど、行政からも注目される存在であった。一方で、これまで卸売に特化していたため商品化と小売経験が乏しく、どのようなスキームで消費者に届けることが最も効果的か、また、商品のネーミングやパッケージデザインに至るまで新商品のマーケティング戦略が課題であった。
ヒアリングを重ねた結果、ネーミングは伝わりやすさを意識し、「循環型陸上養殖 千葉の糸青のり」とした。パッケージは中身が見えるデザインを採用し、一目で青海苔とわかりやすいものにした上で、千葉県産の「江戸前海苔」であることと、「循環型陸上養殖」という生産方法を明記。さらにアクアポニックスの新規性や環境への負荷軽減など、SDGsの観点からの説明を加えることで、商品の強みを強調した。また、クラウドファンディングによる先行予約販売を兼ねたPRとプレスリリースでのメディア戦略も提案した。
令和5年6月、陸上養殖で協働した会社とクラウドファンディングに挑戦して、目標達成率403%を達成。秋以降の本格生産に向け、商品パッケージのブラッシュアップ、販促ツールの作成、プレスリリースを活用した広報戦略に取り組み、今年度売上400万円、次年度1,600万円、10年以内に2億円規模の売上目標を掲げ、千葉県内を中心に首都圏の販路開拓を積極的に行う。
・想いやビジョンから商品のストーリーづくりに注力
・商品パッケージへのストーリーの落とし込み
・地域で愛される商品を目指し、地元飲食店を巻き込む
行政や地域を巻き込みながら、補助金獲得、原藻の生産、商品製造のめどは立っていましたが、具体的な商品のパッケージデザイン、ネーミング、販促ツールの作成などアドバイスを受けられたことで一気に商品化が進みました。なんでも相談できる「よろず」の名のとおり、他の機関では受けられない支援が受けられたと感じています。