旧来の経営スタイルを見直し、売上利益を大幅改善
水郷佐原・潮来観光の中心、与田浦のほとりにある創業50年の食事処。料理はうなぎや和定食のほか、麺類や丼物、一品料理など豊富なメニューを提供。佐原十二橋巡りの観光サッパ舟を5艘、送迎用のマイクロバスを保有。観光客向けの食事から、地元客の宴会、法事まで、幅広いニーズに対応している。
代表者:女将 岩瀬 美智子(いわせ みちこ)
住 所:〒287-0801 千葉県香取市扇島2526
連絡先:0478-56-0901
水郷佐原で50年にわたり、営業する老舗の食事処。季節の食材を用いた地元ならではの料理と、食事から宴会まで幅広く対応できる設備が人気を呼び、地域の常連客や観光客から高い支持を得てきた。しかし、近年は宴会需要の減少、原価及び人件費の上昇等が原因で、売上や利益の減少が顕著になっていた。
同店は常連客・固定客が多く、観光シーズンには多くの観光客が訪れる立地の強みもある。しかし、価格設定の根拠があいまいなメニュー・サービスが複数存在していることが判明。さらに、人件費上昇や業務のマンネリ化による生産効率の低下も、余計な経費の増加とそれに伴う利益率の低下につながっていた。経費と労働の可視化による経費削減、そして売上拡大の為の広報活動の強化を課題に設定した。
利益の出ないメニューの洗い出しと価格を見直すとともに、無償での配達など採算の取れないサービスの廃止・見直しを行った。また、業務量に対して余剰人員になる時間帯を可視化し、最適なシフトに組み換えるほか、雇用条件の精度アップ、能力給や大入袋支給など、従業員のモチベーションをアップさせる施策の導入を行った。加えて、マップアプリやウェブサイトの活用による広報強化や、オリジナルTシャツ作成による地域貢献のPRで、売上拡大も図った。
利益の出ないメニュー廃止、安売り廃止・適正価格への転換等により、売上原価を13%削減することができた。宴会需要の掘り起こしなど積極的な営業と広報施策が功を奏し、売上自体も6%増加。また、従業員のモチベーション向上と生産効率の改善などの効果もあり、前年赤字から186万円の黒字へと転換した。引き続き、経費削減や広報強化に取り組み、経営体質の強化を進めていく。
相談者と正面から向き合い、トライアンドエラーを繰り返しながら一歩ずつ課題を解決していく進め方を心がけた。接客サービスを否定せず従業員の不満や非効率の原因がどこにあるのか現場重視のアドバイスを重ねた。
自分達では気づけなかったことや変えられなかったことを指摘していただき、それに対してわかりやすい言葉でアドバイスをいただき、とても感謝している。カラオケやリース関係の費用発生の仕組みの説明を受けて経費の考え方も身につき、費用削減ができた。