「花おはぎ」の新製品開発とブランディング戦略で売上120%アップを実現
キッチンカーでオリジナル製品である「花おはぎ」を販売し、彩り豊かな見た目が人気。嚥下機能が低下した高齢者向けの「嚥下花おはぎ」の開発や冷凍販売にも取り組み、「花おはぎ」の認知拡大を目指している。
代表者:中井 美津子(なかい みつこ)
住 所:〒441-8021 愛知県豊橋市白河町58
連絡先:090-9768-0728
キッチンカーを中心にオリジナル製品「花おはぎ」を製造販売していた同社だが、日々の顧客数の変動による機会損失や食品ロスの問題に悩まされていた。製造余力を生かしつつ、食品ロスを低減しながらさらなる売上拡大を図りたいと考えていたが、どうすれば販路を拡大できるのかわからずにいた。相談者は創業前から当拠点を利用しており、地元信用金庫と共に伴走支援をする中で、今回の相談に至った。
COは、相談者の思いや現在の製品の特性、広告宣伝方法を徹底的に分析した。材料へのこだわりやあっさりとした味わい、練り切りの魅力を生かした「花おはぎ」の彩り豊かな見た目は、高い宣伝効果が期待できると判断。しかし、製品ラインナップが画一化されていることや、その魅力が十分に伝わっていないことが懸念点であった。一方で、相談者は高齢者施設での勤務経験から、おはぎを食べたくても食べられない高齢者向けに「嚥下花おはぎ」の開発を進めていた。機会損失や食品ロスへの対応策の必要性を再認識するのと同時に、「花おはぎ」自体の認知度向上と顧客開拓、製品開発によるブランド力の強化が急務であると判断した。
集客の主力は顧客の口コミだが、数は限られていた。まずは「花おはぎ」の見た目を生かし、インスタグラムでの発信強化を支援した。商品の魅力を伝えるだけでなく、消費者需要を喚起するため、記念日用の「アニバーサリーおはぎ」や「母の日おはぎ」をラインナップに追加。さらに「嚥下花おはぎ」は商工会議所と連携しプレスリリースを実施することで、高齢者施設向けの販路拡大を目指していくことに。また「嚥下花おはぎ」の本格販売と、花おはぎへの購買意欲に対する機会損失や食品ロスの対策として冷凍おはぎの製造もスタートさせた。長期戦略による相談者の負担を軽減するため、小規模事業者持続化補助金を活用し、製造環境の整備も進めている。
売上は前年比120%増を達成。レギュラー製品にアニバーサリーや限定おはぎを追加しSNSでの発信を強化したことで問い合わせが増加、新規顧客の獲得や既存顧客のリピートにつながった。「嚥下花おはぎ」は地元新聞で紹介され、地域の認知度が大幅に向上。さらに、冷やして食べるおはぎや水ようかんなど季節製品も新たに開発。今後は「花おはぎ」や「嚥下花おはぎ」の全国販売を目指し、厨房施設の整備やECサイトの構築を進めている。
● SNSやプレスリリースにおける発信強化を支援
● 「嚥下花おはぎ」などオリジナル製品の認知度向上戦略
● 小規模事業者持続化補助金の活用支援
創業前からお世話になっていて、右も左もわからないなか、親切にアドバイスいただき感謝しています。お客さまの増加や新聞掲載、補助金の採択など、実績も出て着実に前進できています。相談には的確に応えてくださり、提案もいただけるので、よろず支援拠点は頼りになる存在。今後も定期的に相談させていただきたいです。