思いきった値上げにより心にゆとりが | よろず支援拠点全国本部

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思いきった値上げにより心にゆとりが

公開日: / 都道府県:奈良県 業種:宿泊・飲食 課題: 価格転嫁

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住 所:非公開

公開日:
都道府県:奈良県/業種:宿泊・飲食/課題:価格転嫁

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目次

  1. 現状
    売上拡大により経営危機脱出を目指す
  2. 課題
    どん底からの一念発起
  3. 支援内容
    原点回帰からの再スタート
  4. 支援の成果
    価格転嫁による心にゆとりが芽生え始める

現状
売上拡大により経営危機脱出を目指す

家族経営の小規模な昭和レトロ風老舗旅館を営む。また風光明媚な場所にあり地域資源も豊富な環境にある。知人に相談者を紹介してもらい、訪問。新型コロナウイルス感染症拡大(以下コロナという)の影響を受け、売上高が半減。経営が非常に厳しい状況のため、今後継続支援とした。

課題
どん底からの一念発起

コロナの影響にて売上高が半減、金融機関からの借り入れはないものの、利益が出ない状況。施設の老朽化により設備投資も難しく、相談者の高齢による体力の低下(辞めたい気持ちも)も懸念される。家族会議を数回開催し、ご主人から廃業の反対、家族の応援でもう一度頑張りたいという強い気持ちに変化。しかしながらコロナ前に売上が戻ったとしても、採算の面では大きな課題がのしかかっていた。コロナ前でも採算ギリギリの状態であった為、原材料、水道光熱費及び人件費等の高騰に耐えられない可能性が高い。

支援内容
原点回帰からの再スタート

ブランディングに強いCOに同行してもらい、事業環境分析、事業コンセプト、ブランディングの再構築を提案した。まずは厳選した地元食材の活用、更なるボリューム感を出した朝食への変更をアドバイスし、今後は器にもこだわり、手書きのお品書きなど工夫を凝らす事を検討。次に、ホームページがなかった為、県の補助金の活用(申請サポート、採択)にて新規に作成した。さらに食材、水道光熱費など物価高騰により①朝食料金を@1000円UP②宿泊料金の@1000円~UPを図った。サービス業として「おもてなし向上」という原点回帰を行い、提供するサービス、品質の向上、加えて立地特性を活かしたブランディングにより適切な価格転嫁を実現した。今後はインバウンド客に向けた取組、新たに地域の散策コース、体験素材の開発なども検討している。

支援の成果
価格転嫁による心にゆとりが芽生え始める

朝食を一人あたり@1000円UP、宿泊料金も同様@1000円~の値上げを実施。結果、食材、水道光熱費及び人件費等の支払いにおいて、経営者個人の貯金からの補填がなくなった。また、団体、グループ客からゆとりを持った個人客への変化が実現し、おもてなしの部分においてもゆっくりと丁寧な対応ができるようになった。

事例を振り返って

経営者及びご家族の想いや将来のありたい姿を十分に理解する。そのうえで値上げにより、お客様が離れていくという経営者の心配事を受けとめ、勇気をもって値上げできるように努めた。また、少ない人数のため、課題の優先順位を決めて取り組み、相談者の体力面も考慮、急ぎすぎず、徐々に進めた。あまり経費をかけずに、今ある素材(リソース)の有効活用(工夫)に重点をおいて進めた。

相談者の声

価格転嫁により心にゆとりを持って経営する事ができ、その結果、家族及び従業員の想いが一致しポジティブな社風になりました。今後、更なる品質向上とサービスの提供により、お客様からの「ありがとう」の言葉をたくさん頂けるよう一層経営努力していきたいです。

支援した拠点

奈良県よろず支援拠点

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