ホテルの永続のために顧客満足の向上と価格改定による収益性改善支援 | よろず支援拠点全国本部

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ホテルの永続のために顧客満足の向上と価格改定による収益性改善支援

相談者が運営する小松グリーンホテル(46室)は、今年45周年を迎える。当ホテルは北陸自動車道小松ICからすぐの立地であり、ビジネスホテルでは珍しい良質な天然温泉の大浴場を完備、温かいおもてなしのホテルとして地元客やビジネス客に親しまれている。コロナ後の飛躍のため、第1回事業再構築補助金の採択を受け、令和4年3月に趣が異なる10種の完全バリアフリーの貸切風呂をオープン。他にはない「天然温泉の貸切風呂に入れるビジネスホテル」として、コロナ禍で悪化した収益の改善に積極的に取り組んでいる。

公開日: / 都道府県:石川県 業種:宿泊・飲食 課題: 価格転嫁

株式会社アルカディア

代表者:畑 徹郎
住 所:〒923-0002 石川県小松市小島町ル41番地
連絡先:0761-21-8911
URL:https://www.komatsu-gh.jp/

相談者が運営する小松グリーンホテル(46室)は、今年45周年を迎える。当ホテルは北陸自動車道小松ICからすぐの立地であり、ビジネスホテルでは珍しい良質な天然温泉の大浴場を完備、温かいおもてなしのホテルとして地元客やビジネス客に親しまれている。コロナ後の飛躍のため、第1回事業再構築補助金の採択を受け、令和4年3月に趣が異なる10種の完全バリアフリーの貸切風呂をオープン。他にはない「天然温泉の貸切風呂に入れるビジネスホテル」として、コロナ禍で悪化した収益の改善に積極的に取り組んでいる。

公開日:
都道府県:石川県/業種:宿泊・飲食/課題:価格転嫁

株式会社アルカディア

代表者:畑 徹郎
住 所:〒923-0002 石川県小松市小島町ル41番地
連絡先:0761-21-8911
URL:https://www.komatsu-gh.jp/

目次

  1. 現状
    エネルギー高騰と修繕費の二重苦で成長が鈍化
  2. 課題
    収益性改善が急務であり価格改定に着手する必要がある
  3. 支援内容
    経営者の主体性を尊重した伴走支援で自信を深めてもらう
  4. 支援の成果
    コロナ禍から取り組んできた施策が実を結び始める

現状
エネルギー高騰と修繕費の二重苦で成長が鈍化

当拠点での支援が4年目を迎える相談者は、温かみがある人柄でお客様・従業員ともに評判が良い。各施設の稼働率が向上する中でも震災被害者や作業員を積極的に受け入れており、地元への愛着や障碍者への理解も深い。当拠点前任COの適切な提案とサポートを受けて、資金繰りを改善しコロナ禍を乗り切った。また、補助金を活用して天然温泉の完全バリアフリーの貸切風呂を新たにオープンさせ、黒字化を目指してきた。しかし、この貸切風呂の利用客は安定して増加しているものの、重油や電気代の上昇、建物や設備の老朽化に伴う修繕箇所や修繕頻度が増えたため、収益性を改善しながら、お客様に喜んでもらえるホテルとして維持・発展させていくための支援を開始した。

課題
収益性改善が急務であり価格改定に着手する必要がある

金融機関との関係は良好で当面の資金繰りの問題はないが設備投資の余力が無い。重油や電気代の高騰、建物や設備の老朽化による修繕費で収益性が低下しており、さらなる発展を目指すには収益性改善が急務である。売上拡大のためには集客力、稼働率を上げる必要がある。これまでに、当社の強みである完全バリアフリー貸切風呂の認知度向上、稼働が低い時間帯や曜日の改善、サービス向上のため従業員のスキルとモチベーションアップ、お客様の声への対応などに取り組み徐々に効果を上げつつある。また、エネルギー価格高騰対策として電力会社の変更や省エネ設備の導入検討を進めている。一方で、お客様の評価が下がってしまうのではないかと価格改定には手をつけられずにいた。

支援内容
経営者の主体性を尊重した伴走支援で自信を深めてもらう

経営者の肌感覚だけでなく、サービスに対するお客様の声や利用者数の推移、競合分析の結果から、お客様の評価を下げることなく価格改定を行う道筋を提案した。具体的には、宿泊、入浴、食事などカテゴリー別の値上げ額、時期などを相談しながら、300~1000円の値上げを段階的に実施。並行して、お客様の声への対応とスピードの見直し、部屋や入浴設備の改善、清掃作業の頻度と内容の見直し、朝食メニューの充実、従業員の希望に合わせた勤務シフト、人材育成などサービス品質を向上させることで値上げに対する納得感を持ってもらえるように進めた。懸念していた値上げ後のお客様の評価の低下は見られず、客室稼働率は改善し、入浴客数、宿泊客数共に順調に推移している。

支援の成果
コロナ禍から取り組んできた施策が実を結び始める

入浴料・貸切風呂・宿泊料金を値上げした効果もあり、総売上はコロナ禍より約6千万円増加した。大浴場利用者は横ばいの8万人となったが、完全バリアフリー貸切風呂の回転率は前年を上回り当初目標の4.3回転を超えた。客室稼働率も82%で微増となった。前期は予期せぬ修繕に対応しつつ5期ぶりに黒字決算となる見込みである。今後、年初の能登半島地震で被害を受けた設備の早期復旧のため、石川県なりわい再建支援補助金を利用するほか、お客様の声をサービスに反映するための前向きな投資を計画している。

事例を振り返って

前任COと相談者で決定し実行してきた施策がさらなる成果をもたらすために、できるだけ傾聴に徹し、相談者がやってみようと考えたことを基本的には否定せず、最大の成果が得られる具体策をお互いに意見を出し合いながら決めていった。また、次回の相談時にその成果を定量的にも確認しつつ、次の施策の検討・決定というプロセスを繰り返した。このプロセスを通して、主体的に考えて取り組んだ施策が実を結ぶことを相談者に実感してもらい、さらに自信を深めていけるように努めた。

相談者の声

前任のCOは頼りになる存在で、一歩踏み出す勇気をくれたことに感謝しています。現在のCOは、私事のように親身になって考え、宿泊業の経験を活かした納得できるアドバイスをくれるので、一緒にホテルを運営しているように感じて親近感が持てます。これからも、このスタンスを変えずに相談に対応してもらうとともに、いい関係性を継続していけたらと思っています。石川県よろず支援拠点には、本当に感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。

支援した拠点

石川県よろず支援拠点

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