アワーレートを算出し顧客要求設備の維持費用や労務費上昇分の価格転嫁に成功!
相談者は、受託設計事業、技術支援事業、開発支援事業を営む。具体的には、大手メーカーの工作機械をはじめ、ロボットシステム設計などのマシン開発に関する受託設計事業、クライアントが抱える問題を解決すべく、クライアント先企業にて開発設計に取り組む技術支援事業、クライアントからの依頼による商品開発や各種生産治具を製作する設計製作事業を営んでいる。
代表者:山内 貢
住 所:〒466-0027 名古屋市昭和区阿由知通4-13
連絡先:052-859-2100
URL:https://www.me-tech.co.jp/index.html
相談者は、受託設計事業、技術支援事業、開発支援事業を営む。具体的には、大手メーカーの工作機械をはじめ、ロボットシステム設計などのマシン開発に関する受託設計事業、クライアントが抱える問題を解決すべく、クライアント先企業にて開発設計に取り組む技術支援事業、クライアントからの依頼による商品開発や各種生産治具を製作する設計製作事業を営んでいる。
代表者:山内 貢
住 所:〒466-0027 名古屋市昭和区阿由知通4-13
連絡先:052-859-2100
URL:https://www.me-tech.co.jp/index.html
相談者は、創業約30年間に渡って品質の高い技術サービス(設計業務)を提供しており、右肩上がりの業績を上げていた。しかし、近年コロナの影響や労務費の上昇が負担となり、収益を圧迫してきていた。工作機械関連の技術サービス業界に「価格交渉」という文化がなかったため、取引先の開拓を中心に業績改善を行っていた。そんな折、令和5年7月に当拠点に価格転嫁サポート窓口が設置されたことを受けて、CCOからの勧めにより価格交渉に着手した。
コロナ禍およびコロナ明けにかけて、販路開拓のための営業活動を行い順調に成果を上げてきたものの、最低賃金のアップや毎年のベースアップに伴い利益が出にくい状況となっていた。顧客から要求されたCAD設計設備の維持費も重荷となっていた。価格に関しては、取引先から「この金額でお願いします」と言われたら、基本的にはそのまま受け入れる業界の風潮があり、こちらから値上げを申し入れるということがイメージし難く、おのずと「何をやればいいのか」も分からないという状態であった。そこで、「国が提唱する価格転嫁の考え方」、「パートナーシップ構築宣言や価格交渉促進月間といった国のバックアップ施策」、「根拠資料としての原価計算の仕方や交渉資料の作成方法」といったものを相談者に対し説明する必要があると分析した。
現在、国をあげて価格転嫁に取り組んでおり、この流れに乗って価格転嫁に取り組むのが絶好のチャンスであると説明した。またよろず支援拠点には価格転嫁サポート窓口が設置されているため、価格転嫁サポーターCOと連携し全面的に支援する旨説明した。 また、パートナーシップ構築宣言をしている取引先に対して、今がチャンスであることを説明し理解してもらった。加えて、根拠資料の作成については、原価計算に長けた価格転嫁サポーターCOが中心となって支援を行った。その結果、労務費がほぼすべてを占める状況であったことから、労務費を中心にアワーレートの算出に特化した資料を作成し交渉資料の準備を行った。
今回は取引先4社に対し交渉を行い、そのうち3社から希望金額50%の回答をもらえた。今後の展望としては、今回の交渉を契機に毎年交渉のテーブルを設けてもらい、常に適正価格となるように取引先と協力関係を構築していきたい。
「価格転嫁」という業界風土がない中で、「対話と傾聴」を意識しながら相談者の実情をヒアリングした。また、一から丁寧に説明しつつ優先順位をつけながら、ステップ・バイ・ステップで進められるように努めた。現在の設計単価が当時の他社との相場感で決められており、現状のアワーレートと乖離していることを、相談者に丁寧に説明していった。
価格転嫁は必要だとは理解していましたが、何をどうすればいいのか、第一歩が分かりませんでした。今回はよろず支援拠点CCOからお話を頂き、良いキッカケとなりました。なお価格転嫁は毎年チャレンジしていくべきものだと思いますので、今後もよろず支援拠点を活用しながら進めていきたいと思います。