歴史的文脈における文化体験型の宿として再スタート
鎌倉時代に源頼朝によって発見されたと伝えられ、長い歴史をもつ川原湯温泉。その地で寛文元年(1661年)に創業した温泉旅館。若山牧水や与謝野晶子など文人に愛されてきた温泉は、八ッ場ダム建設の際にダム底隣に沈み、水没地の農家と蔵を静かな山間地に移築・改装しながら、平成25年に山間地の高台に移転。「水車とムササビの宿」として知られた旧旅館の雰囲気を残し、2,000坪の敷地に8部屋という贅沢な空間がもたらす癒しを提供し、好評を博している。
代表者:樋田 洋二
住 所:〒377-1302 群馬県吾妻郡長野原町川原湯454-91
連絡先:0279-83-2221
URL:https://yamakikan.jp/
鎌倉時代に源頼朝によって発見されたと伝えられ、長い歴史をもつ川原湯温泉。その地で寛文元年(1661年)に創業した温泉旅館。若山牧水や与謝野晶子など文人に愛されてきた温泉は、八ッ場ダム建設の際にダム底隣に沈み、水没地の農家と蔵を静かな山間地に移築・改装しながら、平成25年に山間地の高台に移転。「水車とムササビの宿」として知られた旧旅館の雰囲気を残し、2,000坪の敷地に8部屋という贅沢な空間がもたらす癒しを提供し、好評を博している。
代表者:樋田 洋二
住 所:〒377-1302 群馬県吾妻郡長野原町川原湯454-91
連絡先:0279-83-2221
URL:https://yamakikan.jp/
全館全焼からの再建や八ッ場ダム建設に伴う移転など、幾度かの困難を乗り越えてきた「山木館」だが、コロナ禍の影響を受けて経営が悪化。一時、観光支援事業で混雑するも宿泊客は安定せず、10日間連続休業や一組だけの営業など苦しい状態が続いていた。相談者は、祖母の実家に当たる同館に養子入り後、15代目の継承に向けて経営状況などを相談者自身が分析したところ、事業継続に大きな不安を抱え、知人を介して当拠点の存在を知り来訪。
COはまず、現状把握を行うために財務、労務費負担状況、顧客のデータなどの分析を開始した。その結果、人件費比率が55%近くを占めるなど、収益構造に課題があり、役員の補填により経営をサポートしていることを確認する。家族経営の旅館にすることも視野に入れ、根本的な収益改善にむけて取り組むことを急務と判断した。続いてCOは、現状認識と改善に向けての理解を得るために役員会議に出席し、状況を説明。コストをかけずにすぐに取り組める改善を提案し、一歩踏み出せば変わることを理解し納得してもらい、信頼関係を築いてから本格的な改善をスタートすることにした。コンセプトを明確にし、館内装飾の工夫、食事やサービスの提供のあり方なども相談者とともに検討し、COチームの支援による新たな山木館スタイル構築への道筋をサポートしていくことにした。
現状体制では事業継続が困難と考えたCOは、固定費の見直しのもと各専門分野のCOと旅館としての方向性の変更を提案。最終的には相談者自らが一時休館を決断し、再興へ舵が切られた。目指したのは家族経営で成り立つ「(川原湯の)歴史的な文脈における文化体験型の宿」。木に囲まれ木造の建屋を生かした館内の改善を行い、江戸時代の料理方法を体験できるかまどを設置して体に優しい蒸し料理を提供する。COは、クラウドファンディングの活用などを含め、リニューアルオープンまでの道筋をサポートし続けた。
4部屋稼働でも成り立つ家族運営の宿として再スタートした同館。体験型セルフサービスへの転換により、顧客の時間を邪魔せず、リラックスできる宿として好評で、新規顧客の確保につながっている。体に優しい「かまどによる蒸し料理」や山木館伝統の「栗おこわ」の評価も高い。令和4年12月末のリニューアルオープン以降、夏までに約300万円の利益を確保している。
・固定費や経営体制など、既存の事業構造を分析
・旅館の方向性の変更を提案
・「動けば変わる」ことを相談者に実感してもらう
COの皆さまには課題の洗い出しから成功事例を踏まえた再建方針へのヒントまでアドバイスをいただいただけではなく、世代が大きく離れた役員間での認識の共有まで親身に行っていただきました。「山木館」の歴史性や施設を残しつつ新たな方針へ転換ができて、創業400年を見据えた体制づくりとなりました。