プレスリリースの活用で費用をかけずに障がい者賃金問題周知へ
障がい者が経済的に自立できる商品でのSPA (製造小売業)を目指し相談者が起業。就労賃金を向上し障がい者が「働きがい」を感じる「パラ(もうひとつの)ビジネス」を提唱、「障害福祉の商社」として福祉生産品のプロデュースを行う。
代表者:奥岳 洋子(おくたけ ようこ)
住 所:〒277-0033 千葉県柏市増尾7丁目19-34
連絡先:050-1547-5437
同社は障がい者が手作りした「折り鶴」をカプセルに入れた1回500円(外れなし)のカプセルトイとして商業施設などに設置・販売し、売上を障がい者に賃金として還元する「おりづるガチャプロジェクト」を発案。その設置費用などをまかなうため大手のプラットフォームを活用したクラウドファンディング(以下、CF)を実施し、目標金額30万円を即日達成するなど、障がい者の内職賃金向上の可能性に光を当てる。CFの成功を受け、障がい者の賃金問題の周知をさらに拡大する方策を相談するため、当拠点に訪れた。
人手不足が恒常化している福祉介護業界で、経営者と現場の双方をこなす相談者は、バックオフィス業務や外部パートナーづくりを重視すると広報や販売がおろそかになり、その両立が難しいと感じていた。そこで、如何に手をかけずに広報や販売を推進できるかに注力し、拡散されやすくするため話題性のあるプレスリリース実施が重要と考えた。プレスリリース作成にあたり、COは、同プロジェクトの未体験者を誘う内容にすることと、相談者の持つイメージのビジュアル化を提案したうえで、添削を行った。人手をかけなくても効果的な広報や販売に直結することを相談者とともに認識した。
COと相談者は、CFプラットフォームが発行したプレスリリースが大手経済メディア各社に掲載された要因は、プロジェクトの地域性や社会的意義が高く、潜在的なニュースバリューがあったためと分析。関連記事が一覧で表示され、興味のある人のアクセス増加が期待できるウェブでの情報流通を図り、関連キーワードでの検索でプロジェクト名や会社名が表示されやすいようプレスリリースを作成。そのリリースをフックに問合せを集める「プル型営業スタイル」をゴールに定め、活動を開始した。
プロジェクト発足からCF実施時を含めプレスリリースを9回配信し、「おりづるガチャ」の設置箇所6ポイント、出荷数累計5029個、連携会社は11社に増加した(令和4年度上半期実績)。国外からの問合せも増加し、ある世界規模の医療系学会のノベルティとしても活用された。今後は国内主要商業施設や観光地への設置増、インバウンド需要復活に合わせ認知度向上の活動を行い、障がい者の経済的自立を支援する。
プレスリリース作成においては「価値があるポイントを絞る」「見出しを適正な文字数で言語化する」「適正なタイミングを狙う」「業務が過負荷にならない」を前提に添削し、問合せ対応が人的リソースを消耗しないよう配慮しました。
費用面でプレスリリース作成をためらいましたが、相談を通じ「いまのやり方に問題がある」と気づき、修正したところ、問合せと紹介だけで販売数、契約数を伸ばせています。プレスリリースが営業の代わりとなり、人件費も減り、時間のゆとりもできました。