業務改革を通じて従業員の士気が向上 コロナ禍による需要減に動じることなく新たな事業機会の獲得に向けて前進中 | よろず支援拠点全国本部

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業務改革を通じて従業員の士気が向上 コロナ禍による需要減に動じることなく新たな事業機会の獲得に向けて前進中

平成11年に鮮魚・水産物の卸売業として開業。経営者は水産市場で競り人として12年の経験を持ち、鮮魚の売り手、買い手双方に 通じている。その長所を活かし、顧客ニーズに即した事業を展開。自社で加工場を持ち、三枚おろしをはじめ、様々な顧客ニーズに 応じた加工を施した後、配送までを一貫して手がけている点が強み。コロナ禍で鮮魚の需要が落ち込む中、新たな販路の開拓に努めている。

公開日: / 都道府県:大分県 業種:卸売 課題: 生産性向上

有限会社大登商会

代表者:大塚 登美雄(おおつか とみお)
住 所:〒870-0856 大分県大分市畑中1丁目1-11
連絡先:097-547-7068

平成11年に鮮魚・水産物の卸売業として開業。経営者は水産市場で競り人として12年の経験を持ち、鮮魚の売り手、買い手双方に 通じている。その長所を活かし、顧客ニーズに即した事業を展開。自社で加工場を持ち、三枚おろしをはじめ、様々な顧客ニーズに 応じた加工を施した後、配送までを一貫して手がけている点が強み。コロナ禍で鮮魚の需要が落ち込む中、新たな販路の開拓に努めている。

公開日:
都道府県:大分県/業種:卸売/課題:生産性向上

有限会社大登商会

代表者:大塚 登美雄(おおつか とみお)
住 所:〒870-0856 大分県大分市畑中1丁目1-11
連絡先:097-547-7068

目次

  1. 相談のきっかけ
    コロナ禍による需要減をきっかけに業務改革を従業員のやる気向上が課題に
  2. 現状分析・課題設定
    職人気質の社風の変革
    分業制による人材育成と活用に注力することを重視
  3. 提案・実行支援
    強みと魅力を生かせるようにブランド構築と販路開拓を積極的に支援
  4. 支援成果と今後の展望
    社内士気の高まりと若い人材の獲得につながる新たな成長に向けた基盤が整いつつある

相談のきっかけ
コロナ禍による需要減をきっかけに業務改革を従業員のやる気向上が課題に

口コミ営業を中心に販路開拓していたが新たな販路開拓や新商品開発に向けての相談

相談者の大塚社長は、水産市場競り人としてのキャリアを活かし、卸売業として事業を拡大している。魚の目利きもさることながら、自社加工場を活かして魚をおろし小分けにすることで、顧客が求める量をタイムリーに配送する仕組みを構築。また、乾燥調理器や真空包装機などの業務用機器も積極的に導入し、新鮮で品質の良い商品を届けることに努めている。こういった顧客目線に立った事業展開が重宝され、口コミを通じて顧客層が広がり、納品先は飲食店をはじめ、病院や介護施設、学校など多岐にわたる。しかし、新型コロナウイルス拡大に伴い、結婚式場などの宴会需要が減少しており、給付金や助成金などを活用して、苦境を乗り切る取組を進める一方、減少した売上を取り戻すため、更なる販路の開拓、新商品の開発が急務となっている。しかし、これまでの口コミに頼った取組では限界があるため、当拠点に相談に訪れた。また、相談者は、コロナ禍への対策にとどまらず、同社の強みを生かした事業の発展に向けた取組が、従業員の未来のために必須であると考えており、社内業務の効率化、働き方改革に対する支援も希望。

現状分析・課題設定
職人気質の社風の変革
分業制による人材育成と活用に注力することを重視

強みや魅力をいかに生かして伸ばすか

相談者は、魚の目利きをはじめ、加工時の品質管理、顧客目線でのサービス提供など、経営者の資質は抜きん出ている。また、新たな設備、技術などの導入に前向きであり、業務効率化に向けたシステム投資にも積極的であることから、同業他社から口コミで取引先を紹介されることが多い。その反面、自社営業や販促活動はほとんど行っておらず、ホームページを持たないなど情報発信を行っていなかったため、一般的な知名度は低いという課題を抱えていた。また、新商品開発に前向きではあるが、ブランドストーリーの構築をはじめとする商品化に向けたノウハウが十分ではない。さらに、業界特有の体質として職人気質が強く、若手従業員の獲得、育成が進んでおらず、時代が変わる中で、「俺についてこい」、「先輩の背中を見て仕事を覚えろ」では、若手育成が難しいことを相談者自身が痛感していたものの、具体策を講じることができていなかった。このように、様々な長所を持つ企業でありながら、それを生かしきれず、将来に向けた成長ビジョンも描き切れていないところにコロナ禍が生じ、業績は急落。こういった状況を踏まえ、COは業務の分業化、システム化を促進することで、職人気質の企業から若手が働きがいを実感できる企業への転身を促すことが重要と考えた。

提案・実行支援
強みと魅力を生かせるようにブランド構築と販路開拓を積極的に支援

業務改革とともに社長自ら情報発信に努める
自社設備を活用することで、他にはない商品開発をサポート

魚の仕入れから加工、配送まで相談者である社長が何もかも仕切るという業務の流れを変えるため、従業員に仕事を任せて育てるという仕組みづくりを支援。業務効率化や働き方改革、従業員の働きがいの創出を進めることとした。これまで事業を客観的にみる機会がなかったため、自社の強みや課題を整理するため「事業計画」の作成を提案。月1回ペースで相談の上、計画策定を進め、今後の取組や事業の課題などの再確認を実施。加えて、作成した事業計画をもとに、「グーグルマイビジネス」を使った情報発信を提案。相談者自ら掲載内容を作成し、対外的な発信力強化を支援した。社内の働き方改革を進める一方で、新規従業員の確保に向けて、自社の強みや魅力がわかりやすく伝わるよう、求人票記載内容の見直しと、具体的な記載方法などをアドバイスした。また、新商品開発についても、開発プロセスの提案や、個人顧客を対象としたネット販売の取組などをアドバイス。今後は、特に鮮魚の加工や真空包装などの技術を生かし、自然の恵みが豊富な大分の鮮魚や野菜、調味料などをキット化した商品開発が有望である。真空乾燥機を用いることで、鮮魚と干物の中間に位置する独自の商品が競合他社との差別化をもたらす可能性があることから、その開発を支援している。

支援成果と今後の展望
社内士気の高まりと若い人材の獲得につながる新たな成長に向けた基盤が整いつつある

コロナ禍の厳しい環境ながら新規顧客の開拓で着実に成果
業務改革に向けて従業員が自主的に話し合う雰囲気が生まれた

経理システムと連携した仕入れ管理システムの導入により、当日に必要な魚類と数量を正確に把握できるように。仕入れの無駄を省くことが可能となり、大幅な業務効率化に成功。顧客ごとの伝票出力もシステム上で簡易にできるようになり、業務を正確かつ効率的に行う体制が整いつつある。情報発信については、ネット上で情報発信を手がけるようになって以来、新規取引先を4件確保。宴会需要が大きく落ち込む中で、コロナ禍に左右されにくい新たな販路を着実に開拓し、令和3年7月時点で売上高が前年同月比で10%増加した。業務改革については、従業員同士でアイデアを出し合うといった雰囲気が醸成されつつあり、社内に活気が戻ってきている。また、職人気質からの脱却と分業化、経営への参画意識の向上を図ることにより、従業員の士気は大きく高まった。求人票改善により応募が増加した結果、若手人材の確保にも成功。新商品開発は、生産者からの直接仕入れルートを開拓するなど、開発に向けた課題を一つずつ解決しており、今後も付加価値の高い商品づくりに向けて継続的に支援する。

事例を振り返って

職人気質が強い業界体質もあり、これまで相談者が独りで事業を進めていた背景もあったため、社員と共有し共に取り組むことを提案しました。具体的に業務改革に取り組む方法などを、週に1回社内で話し合う場を設ける事で、社員が積極的に経営に参加できる環境づくりを提案しました。また、退職する社員にも、その理由をヒアリングする事で、その後の求人の要項作成に生かす様にアドバイスしました。

相談者の声

社名に「水産」ではなく、あえて「商会」とつけたのは、創業時から水産物に限らず幅広い商材を扱いたいという思いがあったからです。今回、支援を受けたことで、創業時の夢の実現に向けて大きく前進しているのを感じます。今後、一緒に頑張っている従業員に明るい未来を提供できるように、支援内容を生かして、業務改革をさらに加速し、事業の拡大を図っていく考えです。

支援した拠点

大分県よろず支援拠点

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