老舗青果店がYouTubeチャンネルを開設して集客力&接客力アップ
昭和39年開業。山口市商店街に店舗を構える食品小売・卸売の老舗。近隣商店街への大型スーパー進出、郊外への大型店出店など激動する市場環境の中で生き残ってきた。近年は相談者がジュニア・ベジタブル&フルーツマイスターの資格を取得し、百貨店に青果部門と、ジェラート製造・販売「FRUITS-」の|フランチャイズ店舗を展開。若い顧客層に支持されている。
代表者:藤井 洋和(ふじい ひろかず)
住 所:〒753-0046 山口県山口市本町1丁目1-10
連絡先:083-922-2680
10年以上前に先々代がホームページを制作していたが、更新が滞り放置されていた。情報が古いままであることから、相談者である3代目がリニューアルをしたいと考え、ICTの知見を求め当拠点への相談に至った。COの伴走支援により、約4ヶ月かけてホームページを相談者自ら制作し、リニューアル公開を実現。その後、店舗スタッフからの提案で、PR情報発信のためのYouTubeチャンネルを開設したいと、再び当拠点へ相談に訪れた。
相談者は動画編集が未経験のため、当初はスマートフォンのアプリ内で完結する方法を模索していたが、COの調査で、相談者自身のパソコン内に無料の動画編集ソフトを有していることが分かった。ソフトを使うことで動画カットやテロップ挿入が可能になるため、パソコンで編集する方針に変更。令和2年3月にYouTubeチャンネル「ふじいしゃちょーのやおや」を開設したが、その2ヶ月後にコロナ禍の影響で食材を卸す予定のイベント行事が軒並み中止になり、来客数も減少。空き時間が増えたことから、その時間を有効に使うべく、動画編集技術の向上に活用するよう助言した。
COによるトータルな助言を受けながら、テレビ番組制作経験のある店舗スタッフが企画・撮影を、相談者が編集を担当。当初は5分の動画編集に5日かかっていたが、1年後には1日で編集可能に。ゲームやアニメの要素を盛り込み、制作者も視聴者も楽しめる動画づくりを心がけた。また、サムネイルをPOPに活用し、動画内で作った果実酒を展示するなど、YouTubeと店舗とを横断するような仕掛けを工夫。開設13ヶ月後には、台湾パインを題材にした動画が、過去最高の9,000回を超える再生を記録。海外からのコメントも寄せられ、コメント欄で視聴者との交流も活発になった。
YouTubeを見て来店される方や、動画で紹介した食べ方を真似してみたいとフルーツを購入する顧客が増え、売上は前年比120%を達成。また、動画や店頭POPを見てスタッフに話しかける顧客が見られるなど、顧客との会話の糸口としても有効に機能した。また、動画再生回数の上昇とともに、店舗スタッフのモチベーションも高まっている。今後は1年以内にYouTubeチャンネルを収益化することを目標に、全社を挙げて動画制作に取り組んでいく。
YouTubeチャンネルを売上につなげるには、長期的な取組が必要でした。他方で、あまりコストをかけないようにスマートフォンで撮影、無料ソフトで編集、サムネイルも無料オンラインサービスで作成するなど工夫しました。当初は店内の様子などを撮影していましたが、旬のフルーツの切り方や食べ方を紹介する方針に切り替えより視聴者に求められる内容へ改善していきました。
長期間に渡ってサポートしていただき感謝しています。視聴してくださる方々の生活の一部となるまで、YouTube動画の発信を続けていきたいです。山口県産をはじめ、近隣で流通している青果の良いところを多くの人に伝えたいという思いを原動力に、スタッフ共々頑張ります。