奄美伝統の発酵飲料「ミキ」のリノベーションで半年の売上本数1,000本達成
鹿児島市の中心に位置する鹿児島最大の繁華街天文館にニュースポットとしてオープンした「天文館かごしま横丁」の一角に2018年8月オープン。女将が生まれ育った奄美大島の料理を提供し、地元のサラリーマンや観光客で賑わう。
代表者:代表 女将 牧 真理子(まき まりこ)
住 所:〒892-0843 鹿児島県鹿児島市千日前12-1 天文館かごしま横丁
連絡先:099-807-2709
鹿児島市内の施設で飲食店を営業する相談者は、やがて訪れる店舗契約期限に向けさまざまな可能性を模索。都会生活で体調を崩したときに救われた、奄美大島の発酵飲料「ミキ」を取り扱うカフェを開業したいと考えた。何をどのように進めていけばよいかわからない状況で、以前、創業補助金の支援を受けた当拠点に再度来訪した。
「ミキ」はお神酒に由来した歴史を持つ伝統発酵飲料だが、甘味が強すぎるため、現代の若者からは人気がない。COは、同店のオリジナルミキとして、飲みやすく改良した上で、商品化することを助言した。そこで、飲食店や、SNS等での販売ができるよう、商品設計やデザイン、ブランディング、販売方法について検討することを、課題として設定した。
既存のミキは白色であるが、インパクトの強い黒色のミキを提案。また、独自の白色ミキも開発し、黒と白の「陰陽ドリンク」として売り出すことにし、フルーティーで飲みやすいレシピを考案した。さらに、奄美群島特産の黒糖焼酎と割って飲む「ミキ割り」を提案。SNSによる広報を想定して、大島紬の柄などをモチーフとしたパッケージデザインとし、『Re.伝統発酵飲料キミニミキ』という形で商品化した。
「キミニミキ」は飲食店での「ミキ割り」をはじめ、SNSによるネット販売、地元の健康食品店、カフェ等、徐々に取り扱い店舗も増加。若い女性を中心にリピーターも増えてきた。地元メディアにも多数特集され、地元の金融機関が行ったビジネスプランコンテストにおいて準グランプリに輝いた。問合せも増え、売上本数も半年で約1,000本を達成。「ミキ」を使ったカフェやキッチンカーでの販売など、次のステージに向けて、すでに準備も始めている。
短期間での商品化と相談者のモチベーション維持のために、資金調達、食品製造に係る衛生管理、商品のブランディング、IT活用等、具体的な課題をトータル的に設定。短期間で多くの課題を解決してもらうことで、相談者のスキルアップにつながった。
飲食店経営の傍ら、次のステージにつなげるための、新商品開発をすることができた。商品のOEM生産、コンセプト、デザイン、原価計算等初めての経験ばかりだったが、さまざまなことを教わり支援を通じて励ましてもらい新しい一歩を踏み出すことができた。