誤嚥性肺炎予防商品の事業化を支援ネットショップを活用した販路拡大へ
歯科医師、特別養護老人ホームの理事長として、長年、高齢者が誤嚥に苦しむ姿を見てきた相談者。そうした高齢者を何とか助けたいと、嚥下力を高めるトレーニングボトル「タン練くん」を発案・試作した。妻を会社代表として平成30年1月に会社も設立。今後、量産化し事業として取り組んでいくためのアドバイスを求め、当拠点へ訪れた。
相談者は、製造・販売・プロモーションの経験がなく、人員や資金も限られていた。そのような中、「タン練くん」を量産化するためには製造委託先、また保管・発送の委託先を探すことが必要と分析。また、販路開拓についても、相談者自身も忙しい中、常に人員を張り付けられるわけではないので、お金や手間がなるべくかからない方策を考える必要があった。そこで、Coは、「委託先を決定し量産体制を確立すること」と「お金や手間がかからないPR活動」を課題とした。
相談者自身が製造委託会社との取引条件等を交渉し、保管・発送についても卸会社と直接交渉できるよう商品の強みを明確化。販路開拓に向けては、ネットショップの立ち上げと介護・福祉用具店や薬局への営業活動を開始。また、本事業は社会性が高いので積極的な広報活動が効果的と考え、プレスリリースを提案し作成の支援を行った。さらに相談者が自ら広告塔・営業マンとして、商品への想いや強みをPRすることを提案。老人ホームなどの施設訪問や県知事との面談などを行った。
営業活動の結果、和歌山県内の事業者7社と販売契約を取り付け、医療機器・用具の販売会社との契約にも成功。提案したプレスリリースが功を奏し、専門紙や地元新聞、ラジオ、TVの取材を受け、大きなPR効果を発揮。平成30年9月より生産を開始し、10月から開拓した販路とネットショップでの販売にもこぎつけ安定的な創業ができた。