賃金制度・労働環境の見直しで新規雇用達成 売上も増加し経営が安定化
代表者:金田 與志雄(かねた よしお)
住 所:岩手県北上市北鬼柳3地割33-10
連絡先:0197-72-6033
近郊へのルート配送から首都圏等への長距離輸送まで請け負っている相談者。社長から相談者(息子)への事業承継を進める中、従業員からは労働環境や賃金への不満の声も聞かれるようになっていた。相談者は、従業員のモチベーションを高める現場改善を目指すも、独自で解決することに限界を感じ、人事労務に関するアドバイスを求めて当拠点へ相談するに至った。
Coが同社の就業規則、給与明細等を確認すると、支払基準が明確ではないことが判明。賞与に至っては、社長の意向により、従業員のトラックに架装(=装備)を施すという「現物支給」であった。労働環境においても、ドライバーごとに配送を割り振っていることから、負担格差が生じていた。これらにより、従業員は「自分の仕事に見合った給料が支払われていないのではないか」という不信感が生まれ不満につながったと分析。Coは、「賃金制度の再編」と「労働環境の改善」が課題と判断した。
賃金制度の再編に向けては、「基準賃金の設定」と「各種諸手当の見直し」を提案。従業員ニーズも踏まえ、現物支給から賃金支給にするために、トラックへの装飾をやめ、原資とすることを提案。相談者は、直近1年間の賃金額と労働時間を集計し、基準の賃金を決定。また、必要のない手当はやめ、役職手当や運行距離に応じた手当等を設定するなど見直しを進めるようアドバイス。またCoは、労働環境の整備に向けて「役職手当に準じたリーダー制の導入」と「運行に応じた人員配置」を提案。チームに業務を割り振り、適切な業務分担が行われる人員配置にした。
賃金制度が明確化され、賞与も賃金支給になったことで従業員の不信感は払しょくされた。さらに、リーダー制度の導入で社内での協力体制が生まれ、業務も効率化。
賃金制度の再編とあわせて現場改善を果たした同社の取組みは、業界紙にも掲載され、その結果、求人広告からもよい人材が集まるようになった。新しくドライバーを新規雇用できたことで新規受注ができる体制が整い、売上も増加。資金繰りも安定する結果となった。