課題を逆手に取り「コト消費」を提案できる貴重な宿泊施設へ | よろず支援拠点全国本部

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課題を逆手に取り「コト消費」を提案できる貴重な宿泊施設へ

宿泊業を営む相談者は、経営の中心であった夫を亡くし急激な宿泊売上げ減少に直面。宿泊プランや宿泊料の見直しや、好評を得ていたハーブティとディスペンサーのセット販売や「コトの消費」に着目した体験型オプションを取り入れ売上げの回復を狙う。

公開日: / 都道府県:大分県 業種:宿泊・飲食 課題: 経営改善・事業再生

有限会社ゆふいんフローラハウス

宿泊業を営む相談者は、経営の中心であった夫を亡くし急激な宿泊売上げ減少に直面。宿泊プランや宿泊料の見直しや、好評を得ていたハーブティとディスペンサーのセット販売や「コトの消費」に着目した体験型オプションを取り入れ売上げの回復を狙う。

公開日:
都道府県:大分県/業種:宿泊・飲食/課題:経営改善・事業再生

有限会社ゆふいんフローラハウス

代表者:
住 所:

目次

  1. 夫の急逝、お客様に行き届かないサービス
  2. ヒアリングから見出した課題と強み
  3. 人手不足を踏まえた戦略
  4. 「コト消費」の提案で宿泊売上を回復

夫の急逝、お客様に行き届かないサービス

コーディネーター(以下CO)が支援のため訪問した別府市の宿泊施設の女将から当社の窮状を聞き、当拠点へ来訪するように助言した。また、同時期に大分みらい信用金庫の企業支援担当者から当社への支援要請があり、その直後である2017年5月9日に当拠点に社長が来訪した。当初はIT担当であるCOに、売上拡大を目的とした情報発信についての相談であった。
しかし、COが詳細なヒアリングを行ったところ相談者は経営の中心であった代表の夫を亡くし、サービスが行き届かず急激な宿泊売上の減少に直面しており、将来への不安を抱えていることが明らかとなった。

ヒアリングから見出した課題と強み

当初は情報発信の相談であったが経営の中心人物がいなくなったことで、サービスが行き届かず急激な宿泊売上の減少に直面していると判断。宿泊料が相場よりも安いことや、集客ロスなど、平日やオフシーズンの集客とあわせた対策が課題となっていることも明らかとなった。
一方、現地調査をおこなったところ、施設から見える景色の良さや胡蝶蘭・自家製のハーブやベビーリーフなどを使った加工品、押し花体験など他の宿にはない差別化が図れる強みがいくつかあり、宿泊客にも好評を得ているということが分かった。

人手不足を踏まえた戦略

ヒアリングを受け、COからは①宿泊にかかる売上げ・利益の回復、②宿泊以外の売上げ増加案、③事業計画の作成・資金の獲得を提案した。まず、売上げの回復策として宿泊料を見直し、平日と休前日との差をつけ定員数の充足を図ることを助言。人手不足が深刻な現状から、「素泊まりまたは一泊朝食付き」のスタイルに変更し、周辺の飲食店を紹介の上、できる限りの送迎サービスを提供するよう提案した。宿泊以外では、宿泊施設内のカフェで提供を続け好評を得ていたハーブティを当拠点で開発を支援したディスペンサーとマッチングを行い、セット販売を始めることを提案した。そして、事業資金に関しては「小規模事業者持続化補助金」を勧め、申請書類等のフォローアップを行った。
提案を受け、相談者は宿泊料金を1,000円値上げし1人客については休前日の受け入れをやめることとした。また、ファスティング(断食)指導の資格を取り、ファスティングプログラムと宿泊のパッケージ化や、COとアイデアを出し合い、アロマや温泉療法のプログラムを開発し、提供を始めた。自家製ハーブティとディスペンサーのセット販売は好評を得て、主にファスティング参加者からの予約を多く獲得することとなった。資金調達に関しては、CO等の支援に沿って小規模事業者持続化補助金の事業計画を作成し、商工会に申請した。

「コト消費」の提案で宿泊売上を回復

 

これら取り組みを行った結果として、宿泊売上を回復することができ、部屋単価を向上させることに成功した。また、ファスティングプログラムが好評を得て、これまで6回実施したイベントはほぼ毎回募集定員に達しており、宿泊売上と単価の向上に寄与している。
また、写経、ウォーキング、アロマ、温泉入浴療法などのプログラムを一般の宿泊客にもオプションとして提供することで、当社は宿泊以外の「コト消費」の提案ができる宿になった。ハーブティとディスペンサーのセット商品はファスティング客を中心に好評で、販売から1ヶ月で20個を販売した。申請していた小規模事業者持続化補助金に採択され、ホームページの改修、ファスティング事業のリーフレット作成等に充てることができたことにより、売上拡大に貢献した。

支援の流れ
01
経営の中心であった夫が亡くなったことにより宿泊売上が減少
02
安価だった宿泊料金、人手不足を踏まえた宿泊プラン 宿泊以外の売上拡大を助言
03
宿泊価格の改定や断食を取り入れたプラン、人気のハーブティのセット販売を開始
04
宿泊売上が回復。断食プランも好評でこれまで6回実施
支援した拠点

大分県よろず支援拠点

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