本の出版という ユニークな手法で 「ニワカそうす」を全国へ | 中小企業・小規模事業者のための経営相談所 よろず支援拠点

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本の出版という ユニークな手法で 「ニワカそうす」を全国へ

公開日: / 都道府県:福岡県 業種:製造 課題: 売上拡大

有限会社 タケシゲ

公開日:
都道府県:福岡県/業種:製造/課題:売上拡大

有限会社 タケシゲ

代表者:
住 所:

目次

  1. 温めていたレシピ冊子制作のアイデア
  2. 有料のレシピ本として書店に流通させる本として企画
  3. 本が出版されニワカそうすに注目も
  4. 蔦屋書店での販売も決定

温めていたレシピ冊子制作のアイデア

福岡で250年の歴史がある、料理人のための醤油店。売上げが思わしくなく、「先代からの事業承継はせず廃業したほうが良い」と周りからも勧められていた中、「このおいしさを守りたい」という想いから、娘夫婦が2011年に引き継いだ。
現社長である住田さんは、もとは商社勤務で、異業種からの事業継承ということもあり、業務用の醤油を一般向けに販売するものの、なかなか売れず苦戦する日々が続いた。
そんな中、料理人のために業務用として作っていた「たれ」という名の万能調味料を、「ニワカそうす」の名に改め、また他の商品も現代のニーズに合うようにブランディングし、パッケージデザインも一新。プレハブ造りの小さな店舗も、アトリエのようなモダンな店舗に移転。商品のコンセプトが明確になったことで、地元では一定の販路を築けたが、更なる知名度向上と全国への販路拡大を模索していた。
このように日々経営改善に取り組む中、以前、福岡商工会議所の担当者よりアイデアをもらい温めていた「ニワカそうす」のレシピ冊子制作に向け、実現に向けた具体的なアドバイスをもらうべく、当拠点を訪れた。

有料のレシピ本として書店に流通させる本として企画

「ニワカそうす」はほかには類のない調味料であるがゆえ、その使用法を伝えないと購入につながりにくく、実演販売や自社ホームページでのレシピ掲載、チラシなどで使い道を伝えるなど地道に活動することでファンを増やしてきた。しかし福岡県外になると活動に限界がある。
そこで福岡商工会議所と福岡県よろず支援拠点それぞれの視点から提案を実施。福岡商工会議所からは補助金を活用した無料配布用のレシピ冊子の制作を提案され、これを実行した。
一方、当拠点からは、福岡県以外にも全国書店で取り扱いのある出版社を活用した、有料のレシピ本として出版販売することを提案し、これを実行した。
理由としては、「ニワカそうす」を本格的に全国へ販路拡大するにあたり、本を全国販売することで全国へのPRが可能となること。「ニワカそうす」を使った料理だけのレシピ本なので、本を購入した読者のほとんどは「ニワカそうす」を購入すると考えられること。
また、話題づくりとして、醤油屋が本を出版するというのは、他に例がないことなので、話題に火がつく可能性もあり、マスコミからの注目を集めることができるのではと考えた。企画も、話題になることを意識して考案。例えば、「ニワカそうす」を使って101レシピができるなどバリエーションの多さに挑戦。またタイトルも「ニワカそうすの”塗るだけレシピ“」とし、新ジャンルである”塗る“というインパクトのある調理法を前面に出した。
これを本と商品のセットにして販売することで、書店にもアプローチしやすいのではないかと考えた。
そして住田さんは、これまでためてきた400以上のレシピから101のレシピを抜粋。新たにレシピを考案するなどすべて自身でレシピを考案した上で、レシピ本の制作に着手した。出版業界にコネクションのある古川コーディネーター(以下CO)が、編集者やカメラマンをコーディネートした。

本が出版されニワカそうすに注目も

2017年6月に本が完成し発売がスタートになる。本の発売後は、積極的に書店営業を行ない、「紀伊國屋」など大手書店に「本と商品」のセット販売の提案を行った。
また、本の発売を記念したイベントを多数開催したり、SNSで情報発信するなど、地道なPRを続けていった。
その結果、企画の面白さもあり、福岡の大型書店へ”本+ニワカそうす“のセットでの販売が次々に実現し、販路が広がっていった。
また当拠点の古川コCOが、個人的繋がりのあった大型書店「TSUTAYA」にレシピ本をPR。その後、タケシゲ醤油と「TSUTAYA」のマッチングを実施した。

蔦屋書店での販売も決定

「TSUTAYA」の担当者とマッチングした結果、老舗醤油屋が本を作るというユニークさや商品コンセプトに共感していただく。このとき、9月に福岡初となる大型店舗「六本松 蔦屋書店」のオープンを控えていたこともあり、ここでの取り扱いを検討してもらえることになった。
幸いなことに、「六本松 蔦屋書店」のコンセプトの一つに、
”食“があり、大きなフロアの一角にあるキッチンで料理の実演などを行っていく予定とのこと。実演販売にこだわる「タケシゲ醤油」にはまさに願い通りの状況だった。また、福岡から文化を発信したいという想いもあり、「ニワカそうす」はまさに「六本松蔦屋書店のコンセプト」とマッチ。次のことが決定した。「本と商品の同時販売だけではなく、オープニングの集客が最も多い時期の実演販売イベントを実施」「メディアや地元客、関係者を招いての内覧会(数千人の来場)での、『来場者記念用・ニワカそうす』、販促物配布」「レジ前という、最も目立つ場所でのディスプレイ」。この結果として「ニワカそうす」は、「六本松 蔦屋書店」で一番売れている商品としてランキングするという成果を残した。
このように住田夫妻の「ニワカそうす」への想い、レシピ本の出版というアイデアの追い風として、当拠点が機能することができた事例となった。
住田夫妻は「本の出版は、大手が取り組む案件で、うちの様な小規模の醤油屋はとても出来る事ではない、と内心思いましたが、具体的にどの様に動けば良いかをマスコミ出身の古川COに丁寧に説明して頂く事で、不安は消え、弊社にとって大きな転機になるかも知れない。やってみよう!と決意した」と支援を振り返った。
福岡県よろず支援拠点では、古川COのように各分野の一線で経験を積んだCOが支援に当たっている。本案件は、実践を通して得た経験値を生かす好事例となった。

支援の流れ
01
「とにかくタケシゲのしょうゆのおいしさを守りたい。」
02
「PRツールとしてではなく、レシピ本を全国に流通させましょう。」
03
「ニワカそうすを使えば、”塗るだけ“という新しい調理法になる。」
04
「六本松蔦谷書店で、ニワカそうすを販売して欲しい。」
支援した拠点

福岡県よろず支援拠点

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