施設利用者自らが乾燥野菜を商品化 「見せる」ビジュアル野菜に転換し売上4倍アップ | よろず支援拠点全国本部

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施設利用者自らが乾燥野菜を商品化 「見せる」ビジュアル野菜に転換し売上4倍アップ

平成30年開設。障害者自立支援法に基づく生活介護の指定障害福祉サービスを行う。施設利用者自らが製造・販売する仕事を通じて、社会の一員として活動できる場を提供している。また、利用者が栽培した30種類以上の野菜を乾燥加工したものを商品化し、近隣の直売施設やスーパーなどで販売している。

公開日: / 都道府県:秋田県 業種:医療・福祉 課題: 売上拡大

社会福祉法人南秋福祉会指定障害福祉サービス事務所 中野つくし苑

代表者:小島 淳(こじま じゅん)
住 所:〒010-0146秋田県秋田市下新城中野字街道端西40
連絡先:018-853-7792

平成30年開設。障害者自立支援法に基づく生活介護の指定障害福祉サービスを行う。施設利用者自らが製造・販売する仕事を通じて、社会の一員として活動できる場を提供している。また、利用者が栽培した30種類以上の野菜を乾燥加工したものを商品化し、近隣の直売施設やスーパーなどで販売している。

公開日:
都道府県:秋田県/業種:医療・福祉/課題:売上拡大

社会福祉法人南秋福祉会指定障害福祉サービス事務所 中野つくし苑

代表者:小島 淳(こじま じゅん)
住 所:〒010-0146秋田県秋田市下新城中野字街道端西40
連絡先:018-853-7792

目次

  1. 相談のきっかけ
    既存商品を工夫し収益性の高い商品にリニューアルしたい
  2. 現状分析・課題設定
    新規顧客獲得に向け、デザインや価格の見直しが必要
  3. 提案・実行支援
    30種類から5種類を厳選した商品を順次シリーズ化しパッケージやラベルも統一
  4. 支援成果と今後の展望
    新たな販路開拓や顧客の獲得に成功。売価は1.5倍、売上は4倍にアップ

相談のきっかけ
既存商品を工夫し収益性の高い商品にリニューアルしたい

同苑では、施設内で栽培し収穫した野菜の乾燥加工を行い、単種商品のほか、「切干大根」用や「みそ汁の具」用など2~3種類の具材を組み合わせた商品にして販売している。これまで、野菜直売施設やスーパーなど、職員が販路を増やしてきたが、販売量の少なさ、賞味期限切れによるロス、安い単価など収益性の低さに悩んでいた。利益を確保し、施設利用者の工賃をアップするためにパッケージや用途などを工夫したがうまくいかず、状況を打開するため当拠点への相談に至った。

現状分析・課題設定
新規顧客獲得に向け、デザインや価格の見直しが必要

COが顧客ターゲットと商品の特性について分析したところ、高年齢者層向けの、目的買い商品として位置付けられていたことがわかった。天候や湿度によって製造方法を変えるなど、こだわりや工夫を凝らした商品である一方、30種類以上ある豊富な素材の彩りや形状の美しさをうまく見せることができず、販路拡大につながっていなかった。また、商品の見た目が小さく軽いため、高い価格設定にできない課題もあった。そこで「新たな顧客の獲得を目指す商品づくり」を課題として、商品のリニューアルに取り組むこととした。

提案・実行支援
30種類から5種類を厳選した商品を順次シリーズ化しパッケージやラベルも統一

乾燥野菜・果物30種類から5種類を組み合わせると、商品の可能性は14万通り以上。実用性を検討し、新しい食べ方を想定しながら、シリーズ化して統一性を生み出した。既存商品と同じにならないよう、用途はラベルに小さく一例として記載。パッケージはSNSでの話題性を狙い正方形サイズのシンプルなラベルに統一した。さらに利益確保のため価格設定を見直し、素材の組み合わせで原価を調整した。また、COは店頭で壁面に陳列した際の美しさを考え、従来よりも大きく透明な袋に変更するよう提案した。

支援成果と今後の展望
新たな販路開拓や顧客の獲得に成功。売価は1.5倍、売上は4倍にアップ

リニューアルした商品は、乾燥野菜に果物を組み合わせるなど、素材の活用の可能性を提案する商品となった。さらに、パッケージデザインを一新したことにより、雑貨店や大型商業施設などの新たな販路開拓に成功。彩りのあるビジュアルに目を止めて、複数の商品を購入する顧客が増加した。加えて、売価を1.5~3倍に上げたことで客単価は大きくアップ。その結果、売上は前年比の4倍以上に及んだ。

事例を振り返って

新商品のテスト販売の段階では、消費者に用途が明確に伝わらなかったため、「新しい調理素材をどう伝えるか」を相談者と共に考え、キーワードやPOPの作成まで一緒に行いました。商品をつくる人達の努力が報われ、成果が自信につながっていくように、相談者自身が自ら考え、主体的に取り組んでいけるような支援を心がけました。

相談者の声

利用者自身の手で、社会のためにおしゃれな商品をつくっているという意識が仕事への意欲を向上させ、自信につながっています。利用者と一緒に野菜の組み合わせを話し合いながらつくることが楽しく、COの助言もあって商品価値も高まりました。また、お客様に調理の仕方を提案するコミュニケーション商品として、新たな販売機会も生まれました。

支援した拠点

秋田県よろず支援拠点

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