ダイバーシティ経営で業界に蔓延する人手不足の常識を覆す | よろず支援拠点全国本部

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ダイバーシティ経営で業界に蔓延する人手不足の常識を覆す

深刻な人材離れが続く建設塗装業界。株式会社KMユナイテッドは、ダイバーシティ経営を念頭に全く新しい形態での人材採用・育成に着手。経営方針の舵を大きく切る中で、継続成長していくべく知名度の向上と高収益事業の展開で黒字拡大を狙う。

公開日: / 都道府県:大阪府 業種:サービス 課題: 売上拡大

株式会社KMユナイテッド

深刻な人材離れが続く建設塗装業界。株式会社KMユナイテッドは、ダイバーシティ経営を念頭に全く新しい形態での人材採用・育成に着手。経営方針の舵を大きく切る中で、継続成長していくべく知名度の向上と高収益事業の展開で黒字拡大を狙う。

公開日:
都道府県:大阪府/業種:サービス/課題:売上拡大

株式会社KMユナイテッド

代表者:
住 所:

目次

  1. 業界の深刻な人手不足の解決に挑む
  2. ダイバーシティ経営を堅持し継続成長していくために
  3. 綿密な計画と素早い行動力で生産性の高い新工法を実用化
  4. 知名度の向上が売上げに直結 若手、女性の採用に成功

業界の深刻な人手不足の解決に挑む

昨今の建設塗装業界は、人材離れが深刻化。この状況への危機感から生まれた、株式会社KMユナイテッド(以下同社)は、全く新しい形態での人材採用・育成を行うことを決めた。同社では未経験から3年以内で特定分野のプロを育てる仕組みや、ワークライフバランスを考慮した柔軟な勤務制度などを取り入れたのだ。
これらは、「ダイバーシティ経営」を推奨する風潮を追い風に、各種メディアでの掲載や表彰を受け、業界内外での知名度が向上していった。一方で、初期投資や固定費がかさみ、継続成長のためには資金確保が急務となっていたところ、社員の一人が公的支援や補助金等の情報を求めて当拠点に相談したのが、支援のきっかけである。その後相談者を含めたヒアリングの結果、「多様な人材を雇用・育成して業界の未来を変えたい」という熱い想いに寄り添い、伴走支援することとなった。

ダイバーシティ経営を堅持し継続成長していくために

「ダイバーシティ経営」を堅持し継続成長していくためには、多額の人材投資や固定費をまかなう資金確保が必須で、売上拡大と収益性の向上が何より重要である。そのために取り組むべき重点課題を整理したところ、①世界文化遺産の塗装を手がける高い技術力や、女性を含む若手職人の働きぶり、新商品・サービスの企画力などの強みや独自性のアピール②短期間でプロの職人を育成する強みの更なる強化③多様な人材を正社員として雇用し、働きやすい職場環境を整えていくという経営方針を実践するための高収益事業の新規立ち上げという3つの切り口で明確化することができた。

綿密な計画と素早い行動力で生産性の高い新工法を実用化

同社は明確な方向性を有し、新企画のアイデアも多数あったため優先順位をつけて形にすべく、アドバイスや情報提供を行った。
強みや独自性のアピールでは、有用と思われる広報の機会や出版物の紹介、効果的なマーケティングのためのシステム活用の方法をアドバイス。
高収益事業の立ち上げでは、数々の新企画アイデアに関し、客観的に内外環境を分析しつつ、具体的に進めるための手順等について助言。さらに、資金確保や信用力向上のため、経営革新計画申請やものづくり補助金申請等に関するアドバイスを行った。
これを受け相談者は、継続して積極的なニュースリリースを行い、さらに多くのメディア等で取り上げられた。また、相談者自身も、経済産業省ダイバーシティ普及アンバサダーなど、多くの要職につき、その経営手腕や想いを世に広める活動を続け、取組みを全て自社ホームページに掲載した。
また、若い職人への効率的な技能伝承のため、動画でベテラン職人の技能を疑似体験できるスマホアプリ「職人即戦力」の実用化、効率的な人材育成体制の構築を果たした。さらに、綿密な計画と素早い行動力で、わずか1ヵ月で経営革新計画の承認を受け、ものづくり補助金にも採択。独自開発のタイル調外壁塗装工法「KEPT」を実用化。塗装でタイル調外壁にすることで、磁器タイルで頻発する剥落事故を防ぎ、全面検査にかかる膨大なコストや労力をカットする生産性の高い新工法を、世に出したのだ。

知名度の向上が売上げに直結 若手、女性の採用に成功

 

即戦力を育成する手法や実績が各種メディアに取り上げられ、知名度が大きく向上。この結果、売上高はここ3年で倍増し黒字も拡大、若手給与も5割近く伸びた。女性にも働きやすい環境をアピールした結果、就職希望者が増加。現在は、建設職人のうち約半分が20代、1/3が女性であり、それぞれがプロとして第一線で活躍している。
さらに、スマホアプリや新工法も注目を集め、更なる進化を遂げようとしている。このようなチャレンジは、業界内外で脚光を浴び大手企業から指定業者に選定。上場を目指し挑戦し続ける相談者は、支援に対して「客観的目線で経営戦略に対して支援いただいたことで、今後の軌跡を冷静にデザインしなおすきっかけとなった」と、語っていた。

支援の流れ
01
人材離れが深刻な建設塗装業界に危機感。ダイバーシティ経営に着手
02
「ダイバーシティ経営」を堅持し継続成長していくためには、資金確保が必須
03
高収益事業の立ち上げや独自性のPRによる知名度のアップに取り組む
04
知名度の向上が売上げに直結。売上倍増、黒字拡大を達成
支援した拠点

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