老舗豆腐店が工場直売店を出店し価格競争から脱却売上げは約4倍に | 中小企業・小規模事業者のための経営相談所 よろず支援拠点

TOP全国の支援事例老舗豆腐店が工場直売店を出店し価格競争から脱却売上げは約4倍に

老舗豆腐店が工場直売店を出店し価格競争から脱却売上げは約4倍に

大手スーパーの値下げ要求による利益率の低下や、東日本大震災の風評被害による他県取引減少により赤字経営に陥った老舗豆腐店。「豆腐の本当の味を伝えたい」という想いで、工場直売店をオープン。オリジナル豆腐「七福神豆腐」で巻き返しを図る。

公開日: / 都道府県:福島県 業種:製造 課題: 売上拡大

有限会社大黒屋豆腐店

大手スーパーの値下げ要求による利益率の低下や、東日本大震災の風評被害による他県取引減少により赤字経営に陥った老舗豆腐店。「豆腐の本当の味を伝えたい」という想いで、工場直売店をオープン。オリジナル豆腐「七福神豆腐」で巻き返しを図る。

公開日:
都道府県:福島県/業種:製造/課題:売上拡大

有限会社大黒屋豆腐店

代表者:
住 所:

目次

  1. 値下げ要求に応じ、赤字経営に陥る
  2. 価格競争の末、こだわりを断念
  3. 工場直売店出店により、価格競争を脱却
  4. 継続支援の末、売上げが約4倍に増加

値下げ要求に応じ、赤字経営に陥る

相談者は、福島県福島市で天保10年頃から続く老舗豆腐店を営んでいる。その品質が認められ、かつては福島城にも豆腐を献上した歴史を持つが、昭和47年に法人化を行い、取引先が地元小売店から大手スーパーに変遷。地元の豆腐店としての顔より、スーパーへの納入業者としての経営色が強くなっていった。
すると、大手スーパーの値下げ要求に応じてきたことによる利益率の低下、さらに、東日本大震災の風評被害により他県の取引先が減少し、赤字経営に陥ってしまう。
そんな折、当拠点の利用者であった相談者の知人に当拠点を紹介いただいたことをきっかけに相談に至った。

価格競争の末、こだわりを断念

相談に対応したコーディネーター(以下CO)は、相談者が赤字経営に追い込まれた理由として、大きく2つの課題があるとヒアリングから分析。
ひとつは、スーパーの戦略に組み込まれてしまっていること。かつて消費者は、商店街の専門店で買い物をしていたが、スーパーで買い物を完結するスタイルが定着。地場の食品製造業は消費者直売からスーパーへの納入業者に変わってしまった。そして、スーパーの棚割を確保するために価格競争が起こり、赤字経営、資金繰り困窮となっていた。
もうひとつが、豆腐の「本当の味」を消費者が忘れてしまったこと。価格競争を生き抜くために、大豆を海外産に変更するなど味に対するこだわりを断念せざるを得なくなっていたのだ。これは、消費者がスーパーで購入している豆腐を「スタンダードな味」と認識し、「本当のおいしさ」を忘れてしまっていたのだ。しかし、相談者には豆腐の「本当の味」を伝えたいという想いがあった。

工場直売店出店により、価格競争を脱却

価格競争からの脱却と、豆腐の「本当の味」を伝えたいという相談者の思いを叶えるために、担当COは原点回帰となる工場直売店のオープンを提案。出店に当たり、商圏調査による出店場所の検討、スーパーにないオリジナル豆腐の開発支援、ストアコンセプトの設計支援、資金調達の支援を実施した。
出店場所については、資金繰りが困窮する状況を踏まえ、既存の資産(旧工場兼社長の自宅もしくは現工場)を有効活用することを提案。時間帯での通行量、近隣の人口構造を調査した結果、現工場付近は豆腐の「本当の味」を知らない若い世代が多いため現工場を活用することが妥当だと判断した。
また、店舗の設計については当拠点の空間デザイナーであるCOも支援に加わり意見を交換した。
扱う商品は、スーパーとの競争、既存取引先を失う可能性を加味し、スーパーにないオリジナル豆腐が必要であったことから、同社の社名「大黒屋」からヒントを得て、七種の味(もめん、ごま、抹茶、トマト、かぼちゃ、ゆず、しょうが)をワンセットにした「七福神豆腐」を考案した。
これらを実行した相談者は、平成27年10月に工場の事務室を改修し直営店をオープンさせた。

継続支援の末、売上げが約4倍に増加

  しかし、相談者には一般消費者に直接商品を売った経験がなく、当初は売上げが思うように伸びなかった。そこで、原料や製法へのこだわりをPOP提示することや奥まった立地の店舗への誘導策の必要性を助言し、相談者の考案で通りから店舗へ誘導するのぼりを立てた。
これらの取組みの末、施策実施の2ヵ月後には売上げが2倍に、現在では4倍強に増加した。相談者は「利益がなかなか出ない状況を打破できた」と語り、新商品開発や訴求方法の模索など、更なる成長に向け踏み出している。

支援の流れ
01
大手スーパーの値下げ要求、東日本大震災の風評被害で赤字経営に追い込まれる
02
価格競争からの脱却を図り「豆腐の本当の味」を届けるため工場直売店のオープンを助言
03
商圏調査、オリジナル豆腐の開発、ストアコンセプト設計支援の末工場直売店をオープン
04
POP提示や店舗への誘導を充実させた結果、売上げが4倍強に増加
支援した拠点

福島県よろず支援拠点

関連記事